2014 Fiscal Year Annual Research Report
脳内シミュレーションの海馬表現検証
Publicly Offered Research
Project Area | Elucidation of neural computation for prediction and decision making: toward better human understanding and applications |
Project/Area Number |
26120729
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Research Institution | Okinawa Institute of Science and Technology Graduate University |
Principal Investigator |
伊藤 真 沖縄科学技術大学院大学, Neural Computation Unit, 研究員 (40426573)
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Project Period (FY) |
2014-06-27 – 2016-03-31
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Keywords | 海馬 / 脳内シミュレーション / モデルベース戦略 / カルシウムイメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、作業仮説「脳内でシミュレーションされた架空の経験は、海馬神経細胞群によって表現されている」を検証するである。そのために、脳内シミュレーション課題(モデルベース課題)を遂行中のラットの海馬活動を、光記録法(カルシウムイメージング法)や細胞外電気記録法で記録する計画である。 平成26年度には、 第一に、行動実験環境の構築を行った。出し入れ可能なレバー2つ、ペレットディスペンサー、スピーカーが装備された行動実験箱を購入し、制御プログラムを作成した。 第二に、行動課題の構築とその試験を行った。脳内シミュレーションをラットが行ったことを明確にできる行動課題をデザインし、これまでに5匹のラットを用いて課題のテストを行った。今後も課題の調整を続ける予定である。 第三に、カルシウムイメージング法の立ち上げを行った。inscopix社製のミニチュア蛍光顕微鏡を購入。このミニチュア顕微鏡は、自由行動下のラットやマウスの頭部に装着し、脳表や脳深部の神経細胞活動を光学記録することが可能な特殊な顕微鏡である。カルシウム感受性タンパク質を発現させるウィルスベクターを海馬に注入し、ミニチュア顕微鏡で細胞活動が見えることを確認した。 第四に、細胞外電気記録法の装置を導入した。脳内シミュレーションを表現する活動パターンが瞬時に再生される場合では、時間解像度の高い細胞外電気記録方が必要になるためである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通り、行動実験装置が立ち上がり、行動実験の予備実験まで進めることができた。また、ミニチュア顕微鏡を用いたカルシウムイメージング法は始めての経験であったが、inscopix社主催のワークショップで技術を習得し、必要な手術の設備も揃え、何度もの予備実験を経て、神経活動を記録することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)脳内シミュレーションをラットが行ったことを明確にできる行動課題を完成させる。 (2)カルシウムイメージングの再現性が上がるよう、手術方法を調整する。 (3)課題遂行中のラットの動きをモニターする装置を立ち上げる。 (4)課題遂行中のラットの動きと海馬活動をカルシウムイメージング法、もしくは、細胞外電気記録法で記録する。 (5)デコーディング解析により、脳内シミュレーションが海馬活動で表現されているかを検証する。
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