中心部以外にサブサンプリング画像を用いる適応的拡大ダイヤモンド探索

西村 隆太郎
立野 篤
近藤 利夫
佐々木 敬泰
深澤 祐樹

誌名
電子情報通信学会論文誌 D   Vol.J99-D    No.7    pp.669-678
発行日: 2016/07/01
早期公開日: 2016/04/01
Online ISSN: 1881-0225
DOI: 10.14923/transinfj.2015JDP7089
論文種別: 論文
専門分野: 画像・映像処理
キーワード: 
動き検出,  H.265/HEVC,  拡大型ダイヤモンド探索,  TZSearch,  

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あらまし: 
動画像高精細化の需要が高まる中,増大するデータ量低減に向けた符号化の圧縮率向上の要求が強まっている.このような状況の中,H.264/AVCの2倍にまで圧縮性能を高めたH.265/HEVCが注目されている.しかし,処理の複雑さも大幅に増加し,十分な符号化速度が得難くなっている.この符号化速度低下の解消には処理量の大半を占める動き検出処理の高速化が不可欠である.H.265/HEVCの参照ソフトウェアに組み込まれているTZSearchは高精度・高効率を両立する探索アルゴリズムの一つながら,高速化の要求を十分満たすまでの探索効率を実現しているわけではない.そこで,この高速化要求を満たすことを目指し,適応的にパターンサイズを設定する手法,中心付近を除きサブサンプリング画像を用いる手法,早期打ち切り手法の三つを組み合わせた高速動き検出アルゴリズムを提案した.またH.265/HEVCの参照ソフトウェアに実装して,その性能を評価し,圧縮効率や画質の低下を最小限に抑えながら,TZSearchに比べてAD演算回数が平均85.58%低減され,メモリアクセス効率が平均23.47%改善されることを明らかにした.