Project Area | Digitalization-driven Transformative Organic Synthesis (Digi-TOS) |
Project/Area Number |
21H05207
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大嶋 孝志 九州大学, 薬学研究院, 教授 (10313123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小池 隆司 日本工業大学, 基幹工学部, 准教授 (30451991)
笹野 裕介 東北大学, 薬学研究科, 講師 (10636400)
高須 清誠 京都大学, 薬学研究科, 教授 (10302168)
安田 誠 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (40273601)
山口 潤一郎 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (00529026)
菅 誠治 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 教授 (50291430)
跡部 真人 横浜国立大学, 大学院工学研究院, 教授 (90291351)
外輪 健一郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (00336009)
滝澤 忍 大阪大学, 産業科学研究所, 准教授 (50324851)
椴山 儀恵 分子科学研究所, 生命・錯体分子科学研究領域, 准教授 (80447127)
矢島 知子 お茶の水女子大学, 基幹研究院, 教授 (10302994)
宮尾 知幸 奈良先端科学技術大学院大学, データ駆動型サイエンス創造センター, 准教授 (20823909)
小島 諒介 京都大学, 医学研究科, 講師 (70807651)
武田 和宏 静岡大学, 工学部, 准教授 (60274502)
松原 誠二郎 京都大学, 国際高等教育院, 特定教授 (90190496)
矢田 陽 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 材料・化学領域, 研究チーム長 (70619965)
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Project Period (FY) |
2021-09-10 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥298,350,000 (Direct Cost: ¥229,500,000、Indirect Cost: ¥68,850,000)
Fiscal Year 2024: ¥49,790,000 (Direct Cost: ¥38,300,000、Indirect Cost: ¥11,490,000)
Fiscal Year 2023: ¥33,540,000 (Direct Cost: ¥25,800,000、Indirect Cost: ¥7,740,000)
Fiscal Year 2022: ¥45,370,000 (Direct Cost: ¥34,900,000、Indirect Cost: ¥10,470,000)
Fiscal Year 2021: ¥124,020,000 (Direct Cost: ¥95,400,000、Indirect Cost: ¥28,620,000)
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Keywords | 有機合成化学 / 情報科学 / デジタル化 / 自動化 / データベース / 機械学習 / 官能基評価キット / デジタル創薬 / フロー反応 / ベイズ最適化 |
Outline of Research at the Start |
本領域研究は、有機合成に破壊的イノベーションを起こすデジタル有機合成(実験科学と情報科学の異分野融合)の基盤を世界に先んじて築くことを目的とし、有機合成の多様性に対応した独自のデジタル化プラットフォーム(PF)を構築する。A01班、A02班、A03班の3班体制で、人工知能(AI)を徹底活用した自動化法(分子構造自動設計、合成経路自動探索、反応条件自動最適化、バッチ→フロー自動変換、自律的自動合成システム)でムダを徹底排除し、革新反応・革新分子創出の超加速化を実現するとともに、自動化法開発の基盤となる、有機化学の機械学習に最適化した本領域独自のデータベース(DB)の構築を行う。
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Outline of Annual Research Achievements |
情報科学(機械学習)によるアプローチは、人間が実験科学を通じて行うのと同じ帰納的アプローチであり、極めて利用価値が高いと期待されるものの、有機化学への機械学習の利用は極めて限定的で、いまだ未発達である。そこで、本計画研究では、革新反応開発に機械学習を徹底活用(実験科学と情報科学の異分野融合)することで、化学選択性の触媒制御法開発の超加速を実現し、その基礎となる官能基標的触媒を網羅的に創出することを目的とし、(1)機械学習による反応条件最適化の超加速、(2)官能基評価キット活用による化学選択性の網羅的データ集積、(3)機械学習による新反応制御因子の顕在化、(4)機械学習によりデザインされた革新分子の合成と評価、(5)開発した革新反応の反応モジュール化とフロー反応での活用の検討を行う。R3年度(6ヶ月間)は主に以下の検討を行った。 (1)実験化学者が日常の研究生活の中で機械学習を取り入れながら研究を行うことができるよう、研究環境の整備を行なった。①電子実験ノートを導入し、全ての実験結果を電子実験ノートに集約するシステムの構築を行なった。②ベイズ最適化を行うためのPythonの利用環境を構築し、勉強会を複数回実施した。③機械学習の説明変数として利用するための量子化学計算の環境整備と勉強会を行った。④①から③の環境整備を基盤に、連続型変数のベイズ最適化を活用した反応条件最適化を行った。④離散型変数、特に溶媒効果の機械学習による最適化を促進するための検討を行なった。 (2)総括班で構築した官能基評価キットを活用し、官能基の反応に与える影響の網羅的情報収集を行なった。 (4)デジタル創薬の共同研究体制を構築し、情報科学によって提案された化合物の合成と生物活性評価を行った。 (5)フロー合成装置を導入し、大量の高品質データを容易に得ることを可能とする、システム構築を行なった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)まず、実験化学者が日常の研究生活の中で機械学習を取り入れながら研究を行うことができるよう、研究環境の整備を行なった。具体的には、電子実験ノートの導入、ベイズ最適化を行うためのPythonの利用環境を構築、量子化学計算利用の環境整備を行った。続いて、連続型変数(時間、温度、試薬の当量比など)のベイズ最適化中心に検討し、新規触媒反応の反応条件最適化に活用した。一方で、反応条件の最適化には、溶媒効果や触媒構造などのデジタル化が困難な離散型変数の最適化も重要であり、それらの離散型変数をどのようにデジタル化するかの検討を行った。溶媒効果に関しては、実測及び量子化学計算によって得られた物理化学的パラメータの活用や、Fingerprintを活用した手法などを検討し、イミン合成反応などにおいて最適溶媒の提案に成功した。今後様々な手法の開発を行なっていく予定である。触媒構造に関しては、遷移状態モデルを活用した機械学習の検討を行っている。 (2)総括班で構築した官能基評価キットを活用し、20種類以上の官能基の、反応に与える影響の網羅的情報収集を行なった結果、ある程度予想された官能基許容性とともに、これまで影響がないと思われていた官能基の多くで、反応速度を低下させる負の添加影響があることが判明した。また、幾つかの官能基で予想外の正の添加効果も確認されており、これは、今後、(3)の新反応制御因子の顕在化につながる結果である。一方、データベース化するためには、情報の信頼性を確保する必要があり、統計的手法を取り入れる必要があり、次年度以降の検討課題とした。 (4)PPI阻害剤をターゲットとした低分子化合物のデジタル創薬研究を実施し、情報科学によって提案された化合物の合成と生物活性評価を行った。(5)電解フロー反応の最適化をベイズ最適化の手法を用いることで、極めて少ない実験数で達成した。
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Strategy for Future Research Activity |
R4年度はR3年度の検討結果をもとに、(1)から(5)の項目に関して、以下の検討を行う。 (1)総括班として機械学習の教育用動画を作成するとともに、機械学習をチュートリアル形式で学ぶ若手勉強会を年に数回程度実施する。電子実験ノートから領域データベースへのデータ提供を簡便に行うためのAPIを作成する。また、電子実験ノートを利用していない班員のために、webからの入力により簡単にデータベース提出用のデータを作成するシステムを作る。また、領域のデータベースの運用を開始する。(2)官能基評価キットを活用した化学選択性の網羅的情報収集において、統計的手法を取り入れたより信頼性の高い手法を構築し、多くの班員が評価キットを利用することで、さらに多くの反応の化学選択性の網羅的情報収集を行う。反応の種類を拡張するとともに、見い出した正の添加効果に関して精査し、新たな触媒系の開発につなげる。(3)計算科学と情報科学を融合させ、代表的な不斉金属触媒、不斉有機触媒の特徴量を網羅したデータベースを構築する。それらを用いた機械学習を行うことで、不斉触媒反応の主制御因子の顕在化を行う。(4)現在進めているデジタル創薬に関する共同研究をさらに推進する。特に、機械学習によって提案された創薬リードの合成と生物活性評価を推進する。(5)バッチ反応のフロー反応化を推進するために、固相担持触媒反応、電解フロー反応、光フロー反応などの検討を加速する。
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