Budget Amount *help |
¥59,280,000 (Direct Cost: ¥45,600,000、Indirect Cost: ¥13,680,000)
Fiscal Year 2020: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2019: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2018: ¥11,310,000 (Direct Cost: ¥8,700,000、Indirect Cost: ¥2,610,000)
Fiscal Year 2017: ¥10,920,000 (Direct Cost: ¥8,400,000、Indirect Cost: ¥2,520,000)
Fiscal Year 2016: ¥14,820,000 (Direct Cost: ¥11,400,000、Indirect Cost: ¥3,420,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
インフルエンザウイルスは、人間界では病原微生物として認識されているが、自然宿主であるカモなどの野生の水禽では、感染しても病気を発症することはない。 本研究では、インフルエンザウイルスと水禽との共生の自然界における意義を理解するために、1)インフルエンザウイルスとの共生が水禽の腸内微生物叢や生理機能に及ぼす影響の解析、2)インフルエンザウイルスと水禽との共生メカニズムの解析、および 3)野生動物におけるバイローム解析による新規ウイルスの探索を行っている。 インフルエンザウイルスに感染した野生の水禽が病気を発症することはないが、感染個体においてどのような宿主応答が起きているかはよく分かっていない。そこで、本研究において、鳥インフルエンザウイルスを感染させたマガモにおける宿主応答を調べたところ、感染初期には抗ウイルス活性およびインターフェロン応答に関わる遺伝子群の発現上昇が見られた。それに対して、感染後期には、B細胞や免疫グロブリンが関与する免疫応答に関わる遺伝子群の発現が上昇していることが分かった。以上の結果から、鳥インフルエンザウイルスを感染させたマガモの腸管では、感染初期(1,3日目)に自然免疫応答が、そして感染後期(6,9日目)には獲得免疫応答が誘導されていることが明らかとなった。 野生動物におけるバイローム解析については、鹿児島県に飛来するツルの糞便サンプルのメタゲノム解析によって、新規のツルアデノウイルスを同定した。またアフリカ・シエラレオネで採取したコウモリサンプルの解析を進めている。さらに、令和元年度は、南米・ブラジルにおける野生動物のサンプリングのため、新たに共同研究を開始した。
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