Budget Amount *help |
¥117,520,000 (Direct Cost: ¥90,400,000、Indirect Cost: ¥27,120,000)
Fiscal Year 2020: ¥21,060,000 (Direct Cost: ¥16,200,000、Indirect Cost: ¥4,860,000)
Fiscal Year 2019: ¥22,750,000 (Direct Cost: ¥17,500,000、Indirect Cost: ¥5,250,000)
Fiscal Year 2018: ¥21,970,000 (Direct Cost: ¥16,900,000、Indirect Cost: ¥5,070,000)
Fiscal Year 2017: ¥21,970,000 (Direct Cost: ¥16,900,000、Indirect Cost: ¥5,070,000)
Fiscal Year 2016: ¥29,770,000 (Direct Cost: ¥22,900,000、Indirect Cost: ¥6,870,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
柱1「ハダカウイルス(HadV1)の感染性dsRNAの分子解剖と宿主菌系統の確立」HadV1感染、非感染菌株でフェノーム(培地での菌糸生育、色素形成、酵素産生等)、解析を行い、ウイルス感染の糸状菌宿主への影響を調べた。その結果、HadV1が宿主菌に生物学的影響を及ぼさないことを示唆することが示された。 柱2「ヤドカリ・ヤドヌシウイルスの宿借・宿主性の証明と宿主菌系統の確立」YnV1、YkV1が織りなす相利共生関係について、YkV1感染性クローンを利用した逆遺伝学とYnV1トランスフェク ション法を用いて詳細に解析した。 YkV1が己のRNA合成酵素を利用して複製することを明らかにした(宿借性の半分以上は証明できたことになる)。また、RNA合成酵素が活性を持つためには、2A様のタンパク質分解酵素活性によりポリプロテインから切断されることが必須であることを示唆するデータを得た。YnV1、YkV1単独感染、混合感染、非感染菌株でフェノーム(菌糸生育、色素形成、酵素産生、ウイル ス蓄積量等)解析を人工培地上で行い、ウイルス混合感染の方が、YnV1単独感染より環境適応能を低下させことを見出した。 柱3「ネオ・ライフスタイルを持つウイルスの探索と生態学的役割の考察」12)ネオ・ライフスタイルをもつウイルスの類似配列を見つけ、その存在を検証する。 13)バングラテデシュ産植物感染性糸状菌中に新規ヤドヌシウイルスを派遣した。新規ヤドカリウイルス(YkV2〜YkV4)をスペイン産白紋羽病菌から、また新規ハダカウイルスをパキスタンFusarium spp, Trichoderma spp., Mortierella spp.からから分離することができた。ネオライフスタイルを持つウイルスの普遍性の証明に道筋をつけた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大幅な研究計画の変更は予定していないが、ネオ・ライフスタイルを持つと考えられる新規ウイルスの発見に伴い、下記のように研究計画の一部見直しを行った。
柱①では、当初、HadV1のトランスクリプトーム、small RNAnome解析を進める予定であったが、HadV1が「真の裸性(dsRNAのみで感染性を示す)」を持っていない可能性が出てきた。そこで、HadV1の感染性の実体解明を進めると同時に、パキスタン産の菌類から検出された真の裸性を持つ可能性が高い新規ウイルスの性格づけを並行して進めることとした。すなわち、昨年度新たに見つかったハダカウイルス(HadV2, HadV3)の感染性 dsRNA の分子解剖と宿主菌系統の確立を進める。HadVsが鍵役者となっている3者生態系(宿主植物/糸状菌/菌類ウイルス)における役割を解明するため、その感染実体を各種手法(分子生物学的、細胞学的、酵素学的手法など) を用いて明らかにし、裸性を証明する。 柱②では、当初、YnV1、YkV1のトランスクリプトーム、small RNAnome解析を進める予定であったが、柱③で関連成果としてスペイン産白紋羽病菌から新規のヤドカリウイルス(YkV2, YkV3, YkV4)を相次いで発見したため、その解析と論文化を優先的に進めた(Arjona-Lopez et al., Environ Microbiol 2018)。その結果、前述のYnV1、YkV1のトランスクリプトーム、small RNAnome解析は次年度以降に行うこととなった。
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