Budget Amount *help |
¥95,680,000 (Direct Cost: ¥73,600,000、Indirect Cost: ¥22,080,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,040,000 (Direct Cost: ¥10,800,000、Indirect Cost: ¥3,240,000)
Fiscal Year 2019: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2018: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2017: ¥14,950,000 (Direct Cost: ¥11,500,000、Indirect Cost: ¥3,450,000)
Fiscal Year 2016: ¥36,790,000 (Direct Cost: ¥28,300,000、Indirect Cost: ¥8,490,000)
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Outline of Annual Research Achievements |
推移的推論課題をニホンザルに学習させ、課題遂行中に前頭前野外側部と大脳基底核線条体から、単一ニューロン活動と局所場電位を同時記録した。その結果、サルの行動と前頭前野外側部ニューロンの活動には、推移的推論を行っている証拠が見られたが、線条体ニューロンの活動には、推論とは異なる、より単純な形の連合学習機能しか見られなかった。より詳細な解析から、前頭前野外側部ニューロンは、刺激をカテゴリー的にコードしており、それに報酬情報が結びつくことによって推論を行っていることが示唆された(演繹的推論)。線条体ニューロンにはこのようなカテゴリー的なコードは見られなかった。また、1頭のサルについて、推論課題遂行中に前頭前野外側部にムシモルを注入し、一時的に前頭前野機能を抑制する実験を行った。この時、単純な報酬予測や課題遂行能力に変化は見られなかったが、推移的推論が必要な報酬予測はできなくなった。これらの結果を現在まとめて論文作成中である。 また、前頭前野外側部のカテゴリー情報処理の詳細を明らかにするための実験も開始した。ここでは、2頭のニホンザルに、条件性見本合わせ課題を学習させ、数組の刺激ペアの対連合を形成させることができた(A1->A0, A2->A0, B1->B0, B3->B0など)。この課題を学習したサルを使って、今年度は、学習に伴う前頭前野外側部ニューロンネットワークの活動変化を電気生理学的に観察する予定である。さらに、昨年度は、ウイルスベクターを使って、前頭前野外側部ニューロンにGCaMP6を発現させることによって、前頭前野ニューロンネットワークの活動を観察するための予備実験も行った。今後、この手法を使って課題遂行中のサルの前頭前野外側部ニューロンのネットワーク活動を観察する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
推移的推論課題遂行中のニホンザルの前頭前野外側部と線条体から単一ニューロン活動と局所場電位を記録したデータの解析は、ほぼ終了しており、あと1-2か月で論文投稿する予定である。これにより、前頭前野外側部と線条体の推論機能の違いは、情報のカテゴリー化にあるということを示し、カテゴリー推論という形で情報の演繹的処理が行われるため、推移的推論が可能になることを明らかにする。 前頭前野外側部ニューロンネットワークが、どのようにカテゴリー情報をコードしているかの詳細を明らかにするため、条件性見本合わせ課題遂行中のサルからユタアレー電極を使って、100本の電極から単一ニューロン活動と局所場電位の同時記録を行う。この課題では、数組の刺激ペアの対連合を形成させており(A1->A0, A2->A0, B1->B0, B3->B0など)、記録開始後、個別に学習したペア刺激を2つの刺激グループ(A0グループとB0グループ)に分ける訓練を施し、学習に伴う前頭前野外側部ニューロンネットワークの活動変化を観察する。サルへの条件性に門合わせ課題の訓練はすでに終了しており、今年度前半にはユタアレー電極による記録も開始できる。 現在テスト段階にある、サルを使ったカルシウムイメージング法の開発も今年度前半にはテストを完了し、課題遂行中のサルに適用する予定である。
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