Metabolic adaptation of type 2 diabetes
Project Area | Transomic Analysis of Metabolic Adaptation |
Project/Area Number |
17H06300
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Innovative Areas (Research in a proposed research area)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Biological Sciences
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
黒田 真也 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (50273850)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
幡野 敦 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30755533)
土屋 貴穂 筑波大学, 医学医療系, 助教 (70853167)
稲葉 有香 金沢大学, 新学術創成研究機構, 助教 (20571970)
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Project Period (FY) |
2017-06-30 – 2022-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2020)
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Budget Amount *help |
¥237,900,000 (Direct Cost: ¥183,000,000、Indirect Cost: ¥54,900,000)
Fiscal Year 2020: ¥50,050,000 (Direct Cost: ¥38,500,000、Indirect Cost: ¥11,550,000)
Fiscal Year 2019: ¥50,050,000 (Direct Cost: ¥38,500,000、Indirect Cost: ¥11,550,000)
Fiscal Year 2018: ¥54,990,000 (Direct Cost: ¥42,300,000、Indirect Cost: ¥12,690,000)
Fiscal Year 2017: ¥32,760,000 (Direct Cost: ¥25,200,000、Indirect Cost: ¥7,560,000)
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Keywords | トランスオミクス / 2型糖尿病 / 2型糖尿病 / 代謝アダプテーション / システム生物学 / マルチオミクス |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らは、2型糖尿病の代謝アダプテーションの解析における基盤技術として、トランスオミクスを測る、繋ぐ、読み解く解析手法の確立を行った(川田ら、iScience; 2018, 川田ら、Genes Cells, 2018)。ラット肝がん由来のFAO細胞にインスリン刺激を施し、細胞から抽出したRNA、リン酸化タンパク質、代謝物量の時間波形を、トランスクリプトーム、リン酸化プロテオーム、メタボローム計測により網羅的に取得した(トランスオミクスを測る)。またこれらの網羅的データからインスリン刺激に対して増加もしくは減少する遺伝子、リン酸化タンパク質、代謝物を同定した。リン酸化タンパク質からインスリンのシグナルを伝えるシグナル伝達ネットワークを同定し、転写因子の活性を制御するタンパク質をデータベースから同定することで、インスリン刺激に対して応答を示す遺伝子の制御ネットワークを構築した(トランスオミクスを繋ぐ)。インスリン応答性遺伝子のうち代謝に関与する遺伝子を選定し、同時にインスリンに応答する93代謝物からこれらの代謝反応を調整する代謝物を同定することで、インスリン刺激時の遺伝子発現を介した代謝制御ネットワークを構築した。ネットワークに含まれる分子がインスリン濃度に対してどのように応答するかを詳細に解析した。細胞が高いインスリン濃度に対しては転写因子を介した遺伝子発現制御を主に行い、低いインスリン濃度に対しては糖代謝を主に制御することを見出した。さらに、ラットを用いた個体レベルの解析から、発現が変化する遺伝子およびタンパク質の一部は、実際に生体内の肝臓でも同様の応答をすることが確かめられた。このことは細胞内ネットワークが、インスリンの濃度に依存してそれぞれ選択的に使い分けられていることを示している(トランスオミクスを読み解く)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画は順調に進んでおり、期待通りの成果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
正常と肥満モデルマウスを用いて個体レベルでの2型糖尿病の代謝アダプテーションの解析を行う。通常のグルコースに加えて、13Cで標識したグルコースによる経口糖負荷を行い、肝臓、筋肉、脂肪組織などでのフラックス解析も行う。糖負荷後の肝臓・筋肉・脂肪組織・血液などの代謝物の同位体計測を行い、数理モデルを用いて臓器内・臓器間の代謝フラックスの時間変化を推定する。このフラックスデータを、他の階層と統合するネットワークインテグレーション技術も開発する。これにより、各代謝フラックスの制御メカニズムを明らかにするとともに、血中代謝物濃度を制御している反応を同定する。さらに、野生型および肥満モデルマウスの解析結果を比較し、肥満に伴う代謝異常をフラックスとその制御の観点から解明する。 疾患トランスオミクスネットワークの生化学反応を基にしたmechanisticな因果関係を解析するため、疾患トランスオミクスネットワークを動的ネットワークとして解析する。疾患トランスオミクスネットワークのうち、代謝物と代謝酵素を中心に生化学反応モデルを作成する。野生型および肥満モデルマウスの生化学反応モデルを用いて変数選択を行うことにより、ネットワーク上のどの分子が野生型および肥満モデルマウスの代謝応答の違いを生み出しているかを解析する。さらにパラメータ感受性解析を行い、ネットワーク上のどの反応が野生型および肥満モデルマウスの代謝応答の違いを生み出しているかも解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)