Project Area | Synergy pharmaceutical science: understanding and design of compound combination effects by integrating information, material, and life sciences |
Project/Area Number |
20H05798
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | Okayama University (2020, 2022) The University of Tokushima (2021) |
Principal Investigator |
座間味 義人 岡山大学, 大学病院, 教授 (70550250)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中馬 真幸 旭川医科大学, 大学病院, 講師 (20819289)
石澤 有紀 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 准教授 (40610192)
石澤 啓介 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (60398013)
小山 敏広 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60595106)
谷岡 広樹 徳島大学, 情報センター, 講師 (90785106)
濱野 裕章 岡山大学, 大学病院, 講師 (10847289)
松本 准 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60709012)
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Project Period (FY) |
2020-10-02 – 2023-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2022)
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Budget Amount *help |
¥41,600,000 (Direct Cost: ¥32,000,000、Indirect Cost: ¥9,600,000)
Fiscal Year 2022: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
Fiscal Year 2021: ¥13,520,000 (Direct Cost: ¥10,400,000、Indirect Cost: ¥3,120,000)
Fiscal Year 2020: ¥14,560,000 (Direct Cost: ¥11,200,000、Indirect Cost: ¥3,360,000)
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Keywords | 薬剤シナジー効果 / 医療ビッグデータ / 既存承認薬 / ドラッグリポジショニング / 医薬品の組み合わせ / シナジー創薬 / 医療データベース / データサイエンス |
Outline of Research at the Start |
従来の創薬戦略は、疾患に関わる特定の分子のみを標的として治療を目指すものであった。しかし、実際の疾患には多数の生体内分子が関与しているため、十分な薬効が得られない症例や医薬品の作用が減弱・消失してしまう薬剤耐性が問題となっている。この問題を解決する新たな創薬コンセプトとして、複数の医薬品を組み合わせることで疾患に関わる複数の生体内分子に対して網羅的に作用させる手法が考えられる。 そこで本研究では、様々な医療ビッグデータを用いた多層的データマイニングにより、”薬剤シナジー効果”を生み出す医薬品の組み合わせを新規に発見する手法を確立し、その有用性を実験的に検証する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ヒトにおける疾患の多様性・複雑性を内包した医療ビッグデータを用いることで、ヒトに対する安全性が担保された既存承認薬の中から革新的なシナジー効果をもたらす医薬品の組み合わせを発見することを目的として、以下の項目を実施した。 ① 3種類の医療情報データベースを用いた多層的データマイニングにより、薬剤シナジーを生み出す医薬品の組み合わせを新規的に発見する手法を構築する。米国FDAが管理するFAERS、およびWHOが管理するVigi-Baseの二つの国際的な副作用自発報告データベースを用いて、医薬品の組み合わせごとに単剤使用症例と併用症例の二群に分け、病態発現に与えるオッズ比が有意に低い医薬品の組み合わせを、治療効果の示唆された薬剤シナジーとして抽出を行った。 ② ①で見出した薬剤の組み合わせについて、遺伝子などの分子標的の側面から妥当性を評価することで、見出した薬剤の組み合わせの確度を高める。薬剤シナジーを発現する医薬品の組み合わせに関して、AI企業が提供する「CascadeEye」を使用して標的遺伝子を探索し、GEOやLINCSといった遺伝子発現データベースを用いて標的遺伝子に作用する薬剤を見い出した。 ③ 確立した手法を用いて新たな薬効を示す既存承認薬の組み合わせを探索し、実験的検証を行うことで手法の有用性を確認する。評価系として、ノックアウトマウスを用いた病態モデルの作成に成功し、①および②で見出された薬剤の投与を実施している。 ④ 新たに見出した薬剤シナジーに関して、AI班と連携し、医薬品ごとの標的分子をAIで予測することにより作用機序を解明する。薬剤シナジーに関連するパスウェイ・遺伝子発現情報をAI班へフィードバックし、疾患と薬剤のインタラクトームを作成している。この手法によって、予測した薬剤と疾患のシナジー連関を予測する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究は、他分野融合によって薬剤間のシナジー効果を見い出す研究であり、他領域の研究者との密な連携が必須である。一方で、世界的な蔓延を見せるコロナ感染症によって研究内容のミーティングや研究者間の交流・国内留学による研究内容のすり合わせの遂行が困難である。現在はオンラインミーティングの活用によって頻繁に研究ミーティングを実施することで対応している。
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Strategy for Future Research Activity |
既存承認薬の中から見出したシナジー効果について、本研究班が実施する医療データベースやオミクスデータベースによる解析のほかに、他の班が有する技術である基礎薬理学的手法、AI技術を活用した生体分子ネットワークの構築によって妥当性を検証する。また、本研究班以外の班が見出したシナジー効果について、同じく医療データベースおよびオミクスデータベースによる検証を行い、その妥当性を評価する。くわえて、まだ検証を行っていない医療データベースやオミクスデータベースを用いることで多層的にデータ解析を実施する。
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