Project Area | Condensed Conjugation Molecular Physics and Chemistry: Revisiting "Electronic Conjugation" Leading to Innovative Physical Properties of Molecular Materials |
Project/Area Number |
20H05868
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (II)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
松田 建児 京都大学, 工学研究科, 教授 (80262145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福島 孝典 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 教授 (70281970)
渡邉 峻一郎 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (40716718)
竹内 正之 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 高分子・バイオ材料研究センター, センター長 (70264083)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥186,030,000 (Direct Cost: ¥143,100,000、Indirect Cost: ¥42,930,000)
Fiscal Year 2024: ¥30,420,000 (Direct Cost: ¥23,400,000、Indirect Cost: ¥7,020,000)
Fiscal Year 2023: ¥31,330,000 (Direct Cost: ¥24,100,000、Indirect Cost: ¥7,230,000)
Fiscal Year 2022: ¥31,330,000 (Direct Cost: ¥24,100,000、Indirect Cost: ¥7,230,000)
Fiscal Year 2021: ¥28,860,000 (Direct Cost: ¥22,200,000、Indirect Cost: ¥6,660,000)
Fiscal Year 2020: ¥64,090,000 (Direct Cost: ¥49,300,000、Indirect Cost: ¥14,790,000)
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Keywords | 有機機能材料 / 自己組織化 / 2次元表面・界面 / 電子物性 / 物理量変換 |
Outline of Research at the Start |
高密度な2次元共役状態を創り出すための分子集積化法を開発し、表面・界面における分子集合体形成に適用し、高密度共役状態がもたらす軽い電子の新しい電子・光機能を探求する。STMにより配列構造を調べる技術や、2次元大面積稠密集積化技術など、独自に開発した手法を駆使して集積体を構築し、励起子・電荷・スピン・フォノンの次元を含めた状態制御へと展開する。表面・界面で精緻に形成された2次元分子集積体のキャリアドーピングを極め、電子相転移現象の発現だけでなく物理量変換の場として展開する。高密度共役物性評価支援拠点を核とした共同研究を領域内で積極的に推進する。
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Outline of Annual Research Achievements |
多環芳香族分子の中に複数の非6員環を組み込み、非平面のねじれ構造を誘起することを目的として、2個の7員環を組み込んだ二重にジフェニレン縮合した2,3,6,7-テトラアザナフタレンを合成した。単結晶X線構造解析により、この分子は13.0°/Åの大きくねじれた構造をとることが明らかとなった。結晶中でこの分子は、ねじれた分子を積み重ねた形の興味深い直交1次元カラム構造を形成することが分かった。1次元カラム構造の形成にはジフェニレン部位のπスタッキングだけでなく、テトラアザナフタレンの中央の炭素原子のπ*軌道と窒素原子の孤立電子対との間のlone-pair/π*相互作用が関わっていることが明らかとなった。個々の分子において、らせん反転はサドル構造を介して起こること、また、その活性化障壁は53kJ/molと小さいことがDFT計算により示唆された。この値は[4]ヘリセンと[5]ヘリセンの間の値である。NMRスペクトルは-80℃まで変化が無く、速いコンフォメーション変化が支持された。 先行研究により、1,8-置換トリプチセンを液体高分子であるPDMSの末端に導入すると、長距離周期構造が形成し、それにより力学およびレオロジー特性が劇的に向上することを見出している。このトリプチセン末端の13位にメチル基を導入した誘導体を合成したところ、さらに劇的に物性値が向上し、結果として化学架橋なしにPDMSを固体化することに成功した。またこの固体PDMSは自己修復能を有することも示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多環芳香族分子の中に7員環を組み込み、非平面のねじれ構造を導入することを目的として、二重にジフェニレン縮合した2,3,6,7-テトラアザナフタレンを合成し、大きくねじれた分子構造およびねじれた構造に由来する直交1次元カラム構造を明らかにした。 1,8-置換トリプチセンを液体高分子であるPDMSの末端に導入し、トリプチセン末端の13位にメチル基を導入した誘導体を合成したところ、長距離周期構造が形成し、それにより力学およびレオロジー特性が劇的に向上することを見出した。 以上の結果が得られており、本研究課題は目的の達成に対しておおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、非6員環の配置場所を詳細に検討することで、高度にねじれたπ共役系を持つ分子を合理的に設計・合成する手法の開発にも取り組む。また、トリプチセンを用いた高分子末端修飾による、高分子の長距離秩序化能の付与と、それによる力学およびレオロジー特性の向上のアプローチをポリエチレングリコールやABAトリブロック高分子へと展開する。
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