Project Area | Analysis and synthesis of deep SHITSUKAN information in the real world |
Project/Area Number |
20H05953
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (IV)
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Research Institution | National Institute of Informatics |
Principal Investigator |
佐藤 いまり 国立情報学研究所, コンテンツ科学研究系, 教授 (50413927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平 諭一郎 東京藝術大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (10582819)
日浦 慎作 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (40314405)
佐藤 洋一 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (70302627)
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Project Period (FY) |
2020-11-19 – 2025-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥73,190,000 (Direct Cost: ¥56,300,000、Indirect Cost: ¥16,890,000)
Fiscal Year 2024: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2023: ¥13,780,000 (Direct Cost: ¥10,600,000、Indirect Cost: ¥3,180,000)
Fiscal Year 2022: ¥14,300,000 (Direct Cost: ¥11,000,000、Indirect Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2021: ¥14,430,000 (Direct Cost: ¥11,100,000、Indirect Cost: ¥3,330,000)
Fiscal Year 2020: ¥16,900,000 (Direct Cost: ¥13,000,000、Indirect Cost: ¥3,900,000)
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Keywords | 反射解析 / 美術品解析 / 質感知覚 / 絵画解析 / 作業解析 / コンピュータビジョン / コンピュータグラフィックス / 分光解析 / 散乱解析 / 質感解析 / 反射、散乱解析 / 芸術作品データ計測 / 視線解析 / 芸術解析 / 芸術作品データ生成 |
Outline of Research at the Start |
本課題では,質感を科学的に取り扱うための学術的知見を蓄積し,我々が視覚を通して感じる質感と物体が有する光学的特性,その光学特性を生む素材・制作工程との関係を明らかにすることで,本物の工芸品の「良さ」を科学的に論じる手段と,工業製品のさらなる高付加価値化に寄与する計測・評価技術の創出を目指す.特にデジタルな再現技術に人手を介した質感表現を加えた作品を準備し,その物理特性と質感の差異を能動的に解析することで,革新的な質感評価・質感合成技術の創出する。これにより、本物の工芸品の「良さ」を科学的に論じる手段と,工業製品のさらなる高付加価値化に寄与する計測・評価技術の創出を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本課題の目的は,美術品や工業製品において再現されている光学特性を解明し,我々が視覚を通して感じる質感と物体が有する光学特性、その光学特性を生む素材の組み合わせや製作工程との関係を明らかにすることである。本年度は肌質感で著名な藤田嗣治の油彩作品における質感表現の分析を進め、昨年度の成果である制作に用いられたことが想定される複数の白顔料の分光吸光および発光特性の基礎データに基づく顔料推定手法に顔料の空間分布並びにノイズ特性に関する拘束を取り入れることで頑健な手法に発展させた。美術館の協力のもと、代表者の佐藤、分担者の佐藤、平が美術品における質感表現の解明に取り組んだ。実作品を対象として分光反射率および蛍光特性の計測と解析を進め、関連する画家の色彩分布との比較により、藤田固有の肌質感表現への理解が深まった。また、美術品、工芸品、工業製品の特性解析に関しても進展があった。布や革,木目など複雑な質感をもつ物体は、その見た目をCGにより正確に再現することは容易ではない。これらの物体は、光の反射や透過に加え、表面下散乱、表面の凹凸による微細な影など、複雑な現象が複合しているためである。そこでこのような物体の再現方法として、双方向テクスチャ関数 (Bidirectional Texture Functions:BTF) が用いられる。しかし、この計測には長時間を要する上、データ量も膨大になるという問題がある。研究分担者の日浦らは、物体の反射特性に応じてサンプリング点の配置を適応的に制御することで必要な画像数を絞り,効率的にBTFを取得する手法を開発した。実験の結果、等間隔にサンプリングする場合と比較して最適配置を行ったものは質感の再現度が向上することがわかった。これに伴い、質感の再現度を保ったまま必要な撮影画像枚数を削減できる様になった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肌質感で著名な藤田嗣治の油彩作品における質感表現の分析を進め、昨年度の成果である制作に用いられたことが想定される複数の白顔料の分光吸光および発光特性の基礎データに基づく顔料推定手法に顔料の空間分布並びにノイズ特性に関する拘束を取り入れることで頑健な手法に発展させることができ、これにより、実作品の解析を安定にかつ効果的に進めることができるようになった。美術館の協力のもと、代表者の佐藤、分担者の佐藤、平が美術品における質感表現の解明に取り組み、藤田作品のみならず関連する画家の色彩分布との比較により、藤田画伯固有の肌質感表現への理解が深めることができた。また、複雑な質感を持つ物体の再現方法として、物体の反射特性に応じてサンプリング点の配置を適応的に制御することで必要な画像数を絞り,効率的に双方向テクスチャ関数 (Bidirectional Texture Functions:BTF)を取得する手法を開発した。この成果により、今後、質感の再現度を保ったまま必要な撮影画像枚数を削減することができるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度までに解析が進んだ、藤田嗣治の油彩作品における質感表現の分析をジャーナルに投稿し、その成果を広く発信していく。さらに、美術館の作品の近くで技術展示を行い、一般の人にも広く成果を紹介することを予定している。また、異なる違いの藤田作品の解析により、肌質感表現の時系列変化についても解析を進めていくことを予定している。本年度開発した効率的な物体のモデル化、再現方法については、さらなる効果検証を進めていく。
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