Self-organization of germ-soma dichotomy by cellular mechano-chemical crosstalk
Project Area | Mechanical self-transformation of living systems |
Project/Area Number |
22H05165
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
茂木 文夫 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (10360653)
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Project Period (FY) |
2022-06-16 – 2027-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥97,630,000 (Direct Cost: ¥75,100,000、Indirect Cost: ¥22,530,000)
Fiscal Year 2024: ¥15,990,000 (Direct Cost: ¥12,300,000、Indirect Cost: ¥3,690,000)
Fiscal Year 2023: ¥15,600,000 (Direct Cost: ¥12,000,000、Indirect Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2022: ¥33,670,000 (Direct Cost: ¥25,900,000、Indirect Cost: ¥7,770,000)
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Keywords | 力作用 / 自己組織化 / 細胞極性 / 胚発生 / 卵母細胞 / 自律的秩序化 / 力刺激 / 生殖細胞 / 線虫 / 発生 / 力 / 細胞運命 / 形態形成 / 多細胞 / 温度遺伝学 / 細胞骨格 / 力学化学カップリング / 光温度遺伝学法 |
Outline of Research at the Start |
生物は細胞集団の空間パターンを秩序化することで、機能的な形の組織を作る。この秩序化は、細胞が生体内の力発生を感知して化学シグナル伝達を調節する「力学化学カップリング」を必要とするが、その作用をマクロスケールで制御する機構には不明な点が多い。本研究では力発生の役割を解明するための技術開発を行い、力発生を生体内局所で操作する技術を利用して、力発生が細胞極性と細胞運命のパターン秩序化に及ぼす影響を解明することで、生体設計の普遍的原理を提唱する。
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Outline of Annual Research Achievements |
生物は細胞集団の空間パターンを組織・器官スケールで秩序化することで、生体の形と機能を創生する。この細胞集団と組織の秩序化では、細胞が機械的力の発生を感知・応答することで細胞内化学シグナル伝達を調節する「力学化学カップリング」を必要とすることが示された。しかしながら、力作用は直接可視化することができないので、力学化学カップリングの分子機構と生理的役割には未だに不明な点が多い。そこで、生体内の力を計測し人為的操作するには、新規の技術開発が必要とされる。
本研究では先ず、マイクロ流体デバイスと光照射による細胞内温度変化を利用して、力発生に関わる標的因子の機能を素早く阻害する「温度遺伝学法技術」を確立する。この手法では、細胞内局所の温度変化は高速温度感受性の遺伝子変異を導入した細胞骨格によって感知され、力発生の局所的変化へと変換される。この技術を活用して、線虫胚では多細胞期における非対称分裂を対象に、線虫成体では子宮内における卵母細胞形成を対象として、微小管およびアクチン骨格に由来した力発生が細胞集団と組織の空間パターン秩序化を誘導する分子機構を解析する。細胞自律的な自己組織化に対して、細胞非自律的な力学的作用が及ぼす影響を調べることで、マクロスケールの生体秩序化を司る基盤原理を解明する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、力発生の生理的役割を解明するための技術開発を目的とし、マイクロ流体デバイスと赤外域光照射による細胞内温度変化を利用して、力発生に関わる標的因子の機能を素早く阻害する「温度遺伝学法」を確立した。この手法では、人為的な細胞内局所の温度変化は、高速温度感受性の遺伝子変異を導入した細胞骨格分子によって感知され、細胞内における力発生の局所的変化へと変換される。これまでの実験から、超高速温度感受性変異株を利用してII型ミオシン・アクチン重合因子フォルミン・微小管・中心体成熟・中心子複製・細胞分裂構造体ミッドボディ・PAR複合体のそれぞれが関与する構造体を迅速に阻害することが確認できた。
この技術を活用して、線虫胚では多細胞期における非対称分裂を対象に、線虫成体では子宮内における卵母細胞形成を対象として、微小管およびアクチン骨格に由来した力発生が細胞と組織の空間パターン秩序化に及ぼす影響を解明している。これまでに、線虫胚の生殖細胞前駆体を対象にして単細胞期(受精卵)および多細胞期(2-8細胞期)での非対称分裂空間パターンの秩序化を解析した実験から、多細胞期における非対称分裂パターンは「微小管を利用した細胞自律的な自己組織化」と「細胞非自律的な刺激」の統合によって秩序化するモデルが示された。卵母細胞の形態変化では、細胞膜周辺でII型ミオシンの上昇とE-カドヘリンの低下が同時に進行することが必須な役割を担うこと、細胞質で起こる細胞質流動にはArp2/3複合体を介したアクチン重合が必要であることが示された。今後は超高速温度感受性変異とUVレーザー手術を組み合わせた細胞機能局所操作技術を用いて、非対称分裂と卵母細胞形成を司るメカニクスを体系的に解析する。
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Strategy for Future Research Activity |
多細胞期における非対称分裂パターン化では、「微小管を利用した細胞自律的な自己組織化」と「細胞非自律的な刺激」で統合される仕組みの解明を目指す。今後は、超高速反応性温度感受性変異とUVレーザー手術を活用して、中心体・微小管・アクチン骨格の機能を特異的な細胞周期時期に特定の細胞内部位で阻害することで、細胞骨格由来の力作用と細胞非対称化(PAR複合体および細胞質性運命決定因子)の時間的・空間的な因果関係を明らかにする。更に、多細胞期胚の割球を単離・再結合するマニピュレーション技術を用いて、割球間の相互作用が機能する時期と位置を同定する。これらの実験によって、生殖細胞前駆体における中心体と微小管の役割を明らかにし、隣接細胞からの細胞非自律的刺激の実態を解明することで、多細胞期における非対称分裂パターン化機構を包括的に理解する。
子宮内における卵母細胞形成では、アクチン重合由来の力発生に依存して起こる細胞質流れが、卵母細胞の形態形成と卵子の品質管理に及ぼす影響の解明を目指す。アクチン重合の局所的阻害が、卵母細胞膜の再編成、アポトーシス、MAPKシグナル活性勾配の形成、ミトコンドリアの形態と活性制御、減数分裂期の進行、受性効率などに及ぼす影響を体系的に調べることで、細胞質流れの生理的作用を明らかにする。この細胞質流れは、加齢に伴って著しく低下し、形態形成の遅延と卵子サイズの変動を引き起こす原因となりうる。そこで細胞質流れと卵子老化の接点を探るために、卵子の形態形成タイミングと細胞質流れに関与する遺伝子群をRNA干渉法スクリーニングで探索し、加齢に対する卵子形成レジリエンスの分子機構を解析する。
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Report
(2 results)
Research Products
(12 results)