Project Area | COVID-19 and Humanities: Urbanization, Non-anthropocentrism, Social Grouping, and Care |
Project/Area Number |
23H03793
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Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (B)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Review Section |
Transformative Research Areas, Section (I)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
浜田 明範 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (30707253)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱田 篤郎 東京医科大学, 医学部, 特任教授 (10164906)
磯部 裕幸 中央大学, 文学部, 教授 (10637317)
堀口 佐知子 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (30514541)
土井 清美 二松學舍大學, 文学部, 准教授 (30782544)
斎藤 修 一橋大学, その他部局等, 名誉教授 (40051867)
中村 寛 多摩美術大学, 美術学部, 教授 (50512737)
宇城 輝人 関西大学, 社会学部, 教授 (60381703)
飯島 渉 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (70221744)
高橋 絵里香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 教授 (90706912)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2024)
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Budget Amount *help |
¥29,640,000 (Direct Cost: ¥22,800,000、Indirect Cost: ¥6,840,000)
Fiscal Year 2024: ¥10,400,000 (Direct Cost: ¥8,000,000、Indirect Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2023: ¥10,660,000 (Direct Cost: ¥8,200,000、Indirect Cost: ¥2,460,000)
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Keywords | 都市 / 移動 / 感染症 / パンデミック / 人間学 / 密度 / 人口 / 歴史学 / 文化人類学 |
Outline of Research at the Start |
新型コロナウイルス感染症のパンデミックに際し、世界各地で採用された非医薬的介入や国境管理の強化は、都市的な環境やグローバル化の特徴を薄める効果を持つ。そのため、感染症対策への反応・反発・受容は、当該の人びとが都市的な生活をどのようなものと考え、都市に何を期待しているのかと密接に関係している。そこで本研究では、世界各地の都市的/非都市的な環境で暮らす人びとが、都市に何を期待し、感染症対策をどのように認識してきたのかについて、民族誌的・同時代史的なアプローチを用いて明らかにしていく。
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Outline of Annual Research Achievements |
本プロジェクト1年目となる2023年度は、都市的/非都市的な環境で暮らす人びとが都市に何を期待し、また、感染症対策をどのように認識・受容してきたのかについて歴史学・文化人類学・文献学・感染症学の手法を組み合わせながら調査研究を実施した。 まず、新型コロナウイルス感染症によって全域化した都市/非都市における感染症対策の実態と影響を調べるため、日本のプライマリ・ケア医、フランスとオランダの外気学校関係者、フィンランドの自治体の宅地計画担当者、フィリピンの気候正義活動家に対してインタビュー調査を実施するとともに、中国や日本、ヨーロッパの状況をより広い視点から俯瞰するために文字資料・映像資料を収集し、調査・分析を行った。 さらに、現在の都市と感染症の状況を枠付ける歴史的な流れを解明するために、19世紀ドイツにおける熱帯病対策について歴史資料を用いて検討するとともに、東アジアや南アジアにおける感染症対策の歴史についても文献研究を行った。同時に、新型コロナウイルス感染症が都市生活者にどのような想像を喚起してきたのかを検討するために、2020年以降に主に英語圏で発表された新型コロナウイルス感染症に関する歴史学的・文化人類学的研究の成果を収集し、文献研究を実施した。 同時に、これらの個別的な事例を総合するための理論的な視角を深化させるために、(1)歴史人口学における支配的なパラダイムとして機能している人口転換論と疫学転換論に対して新型コロナウイルス感染症のパンデミックがどのような問いを提起しているか、(2)新興感染症の発生要因として取り沙汰されている野生動物との接触と都市の拡大の関係の検討、(3)膨大な数の人間同士の接触が起きる場である都市のあり方を新型コロナウイルス感染症の流行がどのように可視化しているのか、という観点から検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2023年度は本プロジェクトの1年目にあたるが、参画している研究者がこれまでの研究活動を踏まえてそれぞれに調査研究を実施することで、遅滞なく研究を進めることができた。その成果も、すでに国際学会や研究会での発表、論考の公刊という形で多数発表してきており、2024年度も順調に成果公開が行われることが見込まれている。 同時に、年2回実施した班会合や年3回実施した領域総会を通じて、お互いの研究内容についても相互に把握することができた。他方で、同時並行的に走っている複数の研究をどのような枠組みで整理し、また、相互に取り入れていくのかについては、まだ十分に検討できていない部分もある。これは当初の計画通りの事態ではあるが、2024年度はこの問題を解消するために、より積極的に議論に機会を設けるべきだと考えている。 以上の理由から、当初の計画以上とまでは言えないが、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、2023年度と同様、現地調査・資料収集・文献研究を通じてデータを収集するとともに、それらのデータを分析しながら研究成果を発表・公刊していく。同時に、今般の新型コロナウイルス感染症の特徴を明らかにするために、過去の感染症流行の事例との比較をより積極的に盛り込んでいく。 現時点で明らかになっている研究を進める際の障害として、国際情勢の変化に伴って、一部の地域において当初予定していた現地調査や資料収集を実施できない可能性が出てきている。当初予定していた調査が実施できない場合には、隣接地域での調査に切り替えたり、データの収集方法を見直す等、柔軟に対応していく。 また、同時並行的に走っている研究を統合していくために、ウェブを通じた遠隔の研究会を定例化することにより、より広い視野に基づいて研究を深化させていくことを試みていく。
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