| Project Area | Deciphering the epicode of chromatin, which controls cell fate decisions in organisms |
| Project/Area Number |
24H02328
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| Research Category |
Grant-in-Aid for Transformative Research Areas (A)
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| Allocation Type | Single-year Grants |
| Review Section |
Transformative Research Areas, Section (III)
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| Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
胡桃坂 仁志 東京大学, 定量生命科学研究所, 教授 (80300870)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 達郎 九州大学, 理学研究院, 教授 (50452420)
堀越 直樹 東京大学, 定量生命科学研究所, 准教授 (60732170)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2029-03-31
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| Project Status |
Granted (Fiscal Year 2025)
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| Budget Amount *help |
¥158,730,000 (Direct Cost: ¥122,100,000、Indirect Cost: ¥36,630,000)
Fiscal Year 2025: ¥31,460,000 (Direct Cost: ¥24,200,000、Indirect Cost: ¥7,260,000)
Fiscal Year 2024: ¥33,280,000 (Direct Cost: ¥25,600,000、Indirect Cost: ¥7,680,000)
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| Keywords | クロマチン / エピジェネティクス / ヌクレオソーム / ヒストン / クライオ電子顕微鏡 |
| Outline of Research at the Start |
細胞運命決定や細胞老化などの諸過程において、ゲノム上で起こる複雑な遺伝子発現を規定しているのは、多様なクロマチン構造とその動態による制御であると考えられる。本研究では、申請者の胡桃坂が独自に確立してきたクロマチン解析系とクライオ電子顕微鏡技術を基軸として、多様な状態で存在する機能的なクロマチンの立体構造とそのダイナミクスを明らかにする。それらの解析を通して、細胞運命決定を司るクロマチン高次構造と動態変動を明らかにすることで、細胞および個体レベルでのゲノム機能の制御機構を明らかにすることを目指す。
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| Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の細胞核内において、遺伝子発現をはじめとするゲノムDNAの機能発現は多様なクロマチン構造とそのダイナミクスにより制御されている。このクロマチン構造変動を介したゲノムDNAの機能発現制御は、正常な個体の発生や細胞分化に必須であり、その制御基盤となる多様なクロマチン構造とその制御機構の解明が重要な研究課題である。本年度の主な成果として、以下の3つの研究課題について概説する。細胞核膜の形成・維持は、正常なクロマチンの核内配置制御を介したゲノムの機能発現制御に重要であり、その破綻は、遺伝子発現異常やDNA修復異常の原因となることが示唆される。本研究では、核膜形成・維持や核膜近傍におけるクロマチン制御に関与するbarrier-to-integration factor (BAF)およびLamin A/Cのクロマチン結合様式やBAFによるクロマチン高次構造形成機構を明らかにした(Horikoshi et al, Nat. Commun., 2025)。また、ヌクレオソーム結合因子として同定したDEKがヌクレオソームに結合し、ヘテロクロマチンのマーカーであるヒストンH3の27番目のリジンのメチル化を促進することを明らかにした(Kujirai et al, Nat. Struct. Mol. Biol., 2025)。加えて、転写開始点下流の1つ目のヌクレオソーム付近でRNAポリメラーゼII(RNAPII)の停止を制御するタンパク質Negative elongation factor (NELF)による、ヌクレオソーム上でのRNAPIIの停止の制御機構を明らかにした(Naganuma et al, Sci. Adv., 2025)。以上の成果を含む多角的な研究から、クロマチン構造制御およびクロマチン上での転写制御のメカニズムの解明に貢献した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
細胞運命制御や老化などの諸過程を担う多様なクロマチン構造とそのダイナミクスの制御機構を明らかにすることを目指し、試験管内再構成系および細胞抽出系を用いたクロマチン複合体の構造・機能解析を推進している。本年度は、試験管内再構成系を用いて多様なクロマチン複合体の立体構造および機能解析に成功した。(i)DNAの機能発現制御に重要と考えられる特殊なヌクレオソーム構造として、ヒストンH3のバリアントであるCENP-AとH4がそれぞれ4分子ずつ含まれるCENP-A-H4オクタソームの立体構造をクライオ電子顕微鏡構造解析により明らかにした。さらに、(ii)植物特異的なヒストンH2AバリアントH2A.Wをクロマチンに挿入するクロマチンリモデリング因子であるDDM1によるヌクレオソーム認識機構、(iii)核膜形成、維持や核膜近傍のクロマチン制御に関与するBAFおよびLamin A/Cによる、ヌクレオソーム認識機構とクロマチン高次構造形成機構、(iv)ヌクレオソーム結合因子DEKによるヌクレオソーム認識機構とヒストンH3の27番目のリジンメチル化修飾の促進機構を明らかにした。加えて、(v)転写開始点近傍において転写制御に重要なNELFによるヌクレオソーム上での転写抑制機構を解明した。また、細胞抽出系を用いたネイティブなクロマチン構造解析のために、まず細胞抽出クロマチンの構造解析法の確立を行った。その結果、細胞核からクロマチンを抽出し、構造解析を行うまでの一連の実験系の確立に成功した。さらに、細胞抽出系を用いて調製した細胞内クロマチンの構造解析にも成功した。加えて、細胞抽出系を用いてクロマチン結合因子とヌクレオソームとの複合体の調製にも成功しており、その構造決定を進めている。以上のことから、再構成系および細胞抽出系の両方で成果が出ており、当初の計画以上に研究が進展している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後の研究方策については、前年度に引き続き、試験管内再構成系と細胞抽出系の両面から多様なクロマチン構造とその制御機構について明らかにする。具体的には、試験管内再構成系を用いて、細胞種特異的に発現するヒストンバリアントを含むヌクレオソーム上での転写制御機構の解明、クロマチン制御因子によるヌクレオソーム認識機構やヌクレオソーム上での機能解析を行う。加えて、細胞抽出系を用いて、クロマチン結合因子とヌクレオソームとの複合体の構造、機能解析を推進する。これらの多様なクロマチン複合体の構造や機能に関する知見を統合して、ゲノムDNA機能発現制御機構の解明を目指す。
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