Project/Area Number |
00F00253
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Civil and environmental engineering
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
渡辺 義公 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 相協 北海道大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
LEE S.-H.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 膜分離プロセス / ヒ素の除去 / 上水汚泥 / 振動膜 / MF / NF |
Research Abstract |
はじめに及び実験概要 ヒ素は膚ガンをはじめ腎臓ガン等の発ガンリスクのため、厚生省は水道水質基準を大幅に改訂(1993年12月施行)し、ヒ素の基準値を50μg/Lから10μg/Lに強化した。新しいヒ素の基準値である10μmg/L対応するためには新たな高効率ヒ素除去法の開発が急務である。本研究では厳しいヒ素水質基準に対応する、膜分離による溶存態ヒ素のより効果的な除去のための二つの膜分離プロセス、すなわち、一つはMF膜分離と上水汚泥のイオン交換機能を組み合わせたプロセス、もう一つは振動型膜分離装置にNF膜を装着したプロセスを提案する。MF膜ろ過プロセスでは、上水汚泥を注入しないでMF膜(平均膜細孔0.1μm)ろ過を行った場合と、10mg/L濃度の上水汚泥を注入してMF膜ろ過を行った場合の、ヒ素除去率及び透過水の5価ヒ素濃度を測定した。NF膜ろ過プロセスでは、振動型膜ろ過装置に脱塩率が異なる(50%と99.5%)NF膜を装着して、膜振動による溶存態の5価ヒ素イオン除去効率及び循環水の5価ヒ素の濃縮係数変化を測定した。 実験結果及び考察 上水汚泥+MF膜による5価ヒ索除去 急速ろ過工程から排出される凝集剤が含まれている凝集沈殿汚泥にはアルミニウムが含まれている。水酸化物の状態のアルミニウムイオンはアニオンとイオン交換反応を行う。豊平川表流水の5価ヒ素イオン濃度は平均20μg/Lであった。上水汚泥を注入せずにMF膜だけで処理した場合、透過水の5価ヒ素イオン濃度は平均12μg/Lまで減少した。減少した8μg/Lはヒ素を吸着していた原水中の懸濁物質が除去されたためと考えられる。上水汚泥の注入により、ヒ素除去効率が60%程度に向上して透過水の5価ヒ素イオン濃度は平均8μg/Lまで減少した。 振動型膜分離装置+NF工程によるヒ素除去 NF膜を振動させて表面に極めて大きなせん断力を与える膜分離法では、膜表面に生ずる大きな逆輸送速度によって濃度分極層を薄くすることが可能なので、溶解性成分も効率よく除去できる。従って、溶存状態のヒ素イオンも効果的に除去でき、50μg/L濃度の5価ヒ素イオンが10μg/L以下に減少し、循環水の5価ヒ素の濃度も約7倍まで濃縮された。 おわりに 本研究では2つの膜利用ヒ素除去プロセスについて研究した。特に、廃棄物である上水汚泥をアニオン交換物質に利用することによって上水汚泥の有効利用とヒ素処理の2つの目的を同時に果たすことが出来た。
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