Project/Area Number |
00F00260
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
独語・独文学
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Research Institution | Tohoku University |
Host Researcher |
森 淑仁 東北大学, 大学院・文学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
CALIKBASI DURDU 東北大学, 大学院・文学研究科, 外国人特別研究員
CALIKBASI D.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,600,000 (Direct Cost: ¥1,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | ドイツ啓蒙主義 / 近代理性 / 寛容の精神 / 文化相対主義の陥穽 / 多元文化社会 / 異端とマイノリティ / 再イスラム化 / ライトクルトゥーア |
Research Abstract |
今年度の目標は、まず、日本ヘルダー学会の11月の大会(於:東北大学)でのシンポジウムの企画(「ヘルダーと異文化世界」)にあった。研究代表者は司会者として、研究分担者は「イスラムのヘルダーの影響」のテーマでパネラーの一人として、それぞれ役割を担い、他のシンポジウム参加者4名と前年度から、意見の交換を重ねてきた。分担者は、本年度5月の初め、文献調査・収集を目的として2週間ほどドイツに研修旅行を行い、帰国後、研究代表者と共に、東京でのヘルダー学会(於:慶応大学)に参加するなど、シンポジウムへ向けて、怠りなく準備をした。しかしほどなく分担者は、「神経症」との「病」に直面、10月3日に、期間短縮し帰国のやむなきに至った。 研究分担者の従来の研究課題は、1900年頃を中心としていたが、来日後は、ドイツとイスラム世界との関わりの節目と新たな出発点でもある、18世紀啓蒙期(特にヘルダー、ゲーテ)に取り組み、単に多角的、複眼的な視点に止まらず、現代のアクチュアルな問題に対する基本的視座を得るに至り、病からの回復後は、成果を「日本ヘルダー学会」の機関誌に投稿する意欲を示している。研究代表者も、研究分担者とのほぼ18ヶ月に及ぶ共同研究により、ドイツにおけるイスラム問題は、とりわけトルコ移民問題に収斂するため、長年の研究テーマである「近代理性の諸問題」を鑑み、特に18世紀以降のドイツのイスラムとの交流史は、抜本的に再検討が必要であることをますます痛感するに至った。ヘルダー、ゲーテを中心とした啓蒙期における異文化、とりわけイスラム世界との交流による自己の文化への反省的考察は、とりわけ、「寛容」と「民主主義」の精神を、ドイツの思想史上に登場せしめ、「現代の異文化社会における共存と同化」というテーマに対し、また、現代地球規模で展開している「人の移動」の諸問題にたいしても、不可欠の特別の意義を有する。
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