Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
当該研究では,III-V-N窒化物半導体混晶を基礎としたヘテロ構造を用い,幅広いスペクトル領域をカバーし,太陽光を効率よく利用できる高効率太陽電池の実現につながる基本構成材料の研究を進めた。短波長領域に関しては,GaAs基板を用いたCdS/ZnS(Se)/MgSなどのII-VI族材料の研究をこれまで進めてきており,当該研究は主に長波長領域をカバーするGaAs基板上のGaNAs系半導体材料の研究を進めた。 具体的には有機金属分子線成長(MOMBE)法を用いてGaNAs混晶の長波長化を検討したが,窒素の増加に伴う結晶品質の劣化がみられた。一方これまで研究が進められてきたInAs量子ドットも波長1.3μmまでは長波長化するものの,それ以上の長波長化は世界的に困難な状況であった。これに対してInAs量子ドットの内部に残留する圧縮歪みを,引っ張りひずみを持つGaNAsと組み合わせることにより歪みを全体として補償することを発案し,その実験を進めた。その結果,InAs量子ドットに隣接するGaNAsの窒素組成を2.7%まで増大することによりドットからの発光波長が単調に1.5μmまで長波長化することを見いだした。さらにInAs量子ドットの発光効率は隣接GaNAsの窒素組成が増加するにつれて改善し,最大で5倍にも達する大幅な改善効果を示すことがわかった。 その後,デバイス化に必要なAlAs, AlGaAsなどのMOMBEに対して,反射高エネルギー電子線回折(RHEED)の成長時の電子線強度振動を使ってアルミニウム組成の制御法を確立,残留カーボンがAs/Ga比を増大することによって低減できるなどを見いだし,単一基板上で広いスペクトル領域をカバーするヘテロ構造を構成するためめ材料系の研究をほぼ完了させる成果を上げた。
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