ソルボサーマル反応による分子性複合酸化物の合成と光化学特性
Project/Area Number |
00F00312
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Inorganic materials/Physical properties
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Research Institution | Tohoku University |
Host Researcher |
佐藤 次雄 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授
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Foreign Research Fellow |
HE Qing Lin 東北大学, 多元物質科学研究所, 外国人特別研究員
HE Q.-L.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 紫外線吸収剤 / 層状複水酸化物 / インターカレーション / 無機 / 有機ナノ複合体 / ホスト-ゲスト相互作用 / ゲスト-ゲスト相互作用 / レッドシフト |
Research Abstract |
人体に安全で優れた紫外線遮蔽能を有する新規紫外線遮蔽剤を開発することを目的として、陰イオン交換能を有する無機層状化合物である亜鉛-アルミニウム層状複水酸化物の層間に紫外線吸収能を有する芳香族化合物を包接した無機/有機ナノ複合体を作成し、その光化学特性について検討した。 本研究では、亜鉛-アルミニウム系層状複水酸化物の層間に、6種類の紫外線吸収剤(4-ヒドロキシ-3-メトキシ桂皮酸、2-ヒドロキシ-メトキシベンゾフェノン-5-スルフォン酸、ウロカニン酸、4-ヒドロキシ-3メトキシベンジル酸、p-アミノベンジル酸および4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジスルフォン酸)を包接したナノ複合体の合成に成功し、これらの結晶構造、化学的安定性、紫外線遮蔽特性について検討した。いずれの有機化合物もUVB領域(290-320nm)の紫外線吸収能は優れているが、UVA領域(320-400nm)の光吸収特性は低い。これらの有機物を層間に包接すると、ホスト層との相互作用およびゲスト芳香族化合物同志のπ-π相互作用により、単独の場合より吸収スペクトルが長波長側にシフトし、UVA領域の光吸収能が増すことが明かとなった。また、有機化合物は紫外線により励起され活性ラジカルを生成することから、他の有機物の酸化を促進する触媒作用を示すが、層間包接により触媒活性が著しく抑制されることを見い出した。また、層状複水酸化物は、炭酸イオンとの親和性が高いため、層間に包接された有機紫外線吸収剤が空気中の二酸化炭素と反応し、層外に脱離することが懸念されるが、層状化合物/有機紫外線吸収剤ナノ複合体をシリカで被覆した3成分ナノ複合体とすることにより、有機成分の層外への脱離を著しく低減できることを明らかにした。なお,4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジスルフォン酸は二酸化炭素による層間脱離に対する安定性が最も優れており,空気を長時間バブリングしてもほとんど溶出しなかった。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)