チタノシリケートの有機反応への新しい応用と新規メタロシリケートの合成
Project/Area Number |
00F00315
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
触媒・化学プロセス
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Research Institution | Yokohama National University |
Host Researcher |
辰巳 敬 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授
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Foreign Research Fellow |
SSIDHARAN Manickam 横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 外国人特別研究員
SASIDHARAN M.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,400,000 (Direct Cost: ¥1,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥800,000 (Direct Cost: ¥800,000)
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Keywords | チタノシリケート / エポキシ化 / アルケン / 水熱合成 / 四級アンモニウムイオン / 型剤 |
Research Abstract |
既知の方法で合成したチタノシリケートを用いた新しいタイプの有機合成反応の開発を目指した研究と,チタノシリケートゼオライト触媒の新しい合成法の開発を目指した研究の両方を行った。 まず,TS-1,Ti-beta, Ti-MWWの3種のチタノシリケートを合成し,不飽和ケトンの過酸化水素によるエポキシ化に適用した。6員環ケトンの反応性が電子吸引性のカルボニル基の存在に関わらず大きく,速やかにエポキシケトンに転化されることを見出す一方,5員環ケトンでは反応性が非常に低いことを観察した。これは環の平面性が大きい5員環共役ケトンではオレフィンの電子密度がカルボニル基の効果により減少するのに対し,6員環では共役による電子吸引基の効果が現れ得ないためと説明できた。環が大きく,また,オレフィン基の置換基が大きくなると反応性の減少が見られたが,これは立体的な制約によりオレフィン基がTiの酸化活性種に近づきにくくなるためである。立体障害の小さい直鎖の不飽和ケトンでは,オレフィンとカルボニル基の同一平面性が容易に達成されるため,反応性は低かった。 続いて3置換または4置換オレフィンの過酸化水素によるエポキシ化を同様な触媒を用いて行い,ピナコールタイプの生成物が選択的な合成を達成した。これはエポキシ化と続いて起こる加水分解によるものであり,生成したエポキシ環の置換基同士の立体反発と置換基によるカルボニウムイオンの安定化の両方の効果によってエポキシ環の加水分解が促進されたものである。エポキシ化は電子的には置換度が高いほど促進されるはずであるが,3置換の方が速く,これはエポキシ化の段階での立体効果によるものであるとした。 Ti-beta触媒を用いて各種の環状オレフィンやジエンのエポキシ化における位置選択性を調べた。選択性は炭素炭素二重結合の電子密度と立体的な混み具合の両方の因子によって反応性が影響されるとの基本的考えに基づき,置換基の増加は電子的には促進,立体的には抑制という相反する効果のバランスによって説明できることを明確に示した。 チタノシリケートの新しい合成法としては,通常,合成が困難なシリカTi-betaのフッ化物法による合成を新しい構造指向剤としての有機アンモニウム化合物を用いて行った。特に二官能基性の有機アンモニウム塩の橋掛けの炭素鎖の長さによって結晶相とモルフォロジーが制御できることを見いだした。
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Report
(1 results)
Research Products
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