顕微赤外二色性及び伸長応力の同時測定による高分子アロイ薄膜の変形機構の研究
Project/Area Number |
00F00317
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
高分子構造・物性(含繊維)
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Research Institution | Kyushu University |
Host Researcher |
根本 紀夫 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 教授
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Foreign Research Fellow |
SONG Yihu 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 外国人特別研究員
SONG Y.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 顕微赤外二色性 / 分子配向関数 / 薄膜の変形機構 / 真応力と真ひずみの関係式 / アフィンモデル / ポリプロピレン / ポリ(エーテル-ブロック-アミド) / PP-EBR分散系 |
Research Abstract |
汎用高分子アロイの一成分として広範囲に使用されている結晶性高分子ポリプロピレン(PP)は結晶部と非晶部が複雑に入り組んだ不均質構造をもつため、アロイ薄膜の変形機構を調べる前にまずPP薄膜の変形機構を徹底的に研究した。現在2種類のポリアロイの変形機構の研究にすすんでいる。得られた成果は以下のとおりである。 1.本研究室で開発した一定延伸速度下で顕微赤外二色性及び伸張応力の同時測定が可能な装置を用い、200x200μm^2の微小な観察領域での分子配向はネッキングの通過に伴い主として生じ、巨視的応力-ひずみ曲線とは無関係であることを見出した(Polymer Journal,34,584(2002))。 2.変形前フィルム中心にあり、試料の不均質構造のため延伸とともに変位する微小観察領域の顕微写真像の解析から1軸延伸ひずみλおよび試料膜幅方向の変位を求め、赤外構造吸収強度から求められる膜厚の変化と比較することにより、PPフィルムが非圧縮性固体であることを示した。無定形部でのPP鎖の分子配向関数f_<av>のλ依存性がf_<av>【less than or equal】0.45までアフィンモデルで記述できることを明らかにするとともに、結晶部の分子配向関数f_cとf_<av>の間にf_c=1.85f_<av>が成立することを初めて見出した(Macromolecules,36(2003)in press)。 3.巨大球晶内部及びその近傍における微結晶領域の変形挙動を調べ、球晶はほとんど変形せず微結晶領域のみが変形し、その変形挙動は第2項の結果と一致し、無定形鎖が凝集したマトリックス中で架橋点となるラメラの分子鎖長軸が延伸方向に配向することを見出した(J. Soc. Rheol. Japan,31(2003)in press)。 4.微小観察領域での真応力と真ひずみの関係式が分子配向関数f_<av>およびf_cの真ひずみ依存性と密接に関連していることを明らかとし、さらに延伸を中途でいったん停止させて膜全域での応力・配向関数とひずみとの関係を求め、2相モデルで解釈できることを示した。このモデルは分子配向の温度依存性も説明できる。 5.ポリエーテルーブロック-アミド)熱可塑性エラストマーのソフトドメイン及びハードドメイン中での分子配向関数を求め、前者はアフィン変形で記述できること、一方後者は変形とともにいったん減少した後大きく増大することを見出している。 6.PPマトリックスにEBRが球状分散した系では、PP鎖の変形にEBRの存在はほとんど影響を与えないが、EBRの変形は融点を境として界面に強く依存することを初めて明らかにした。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)