新規なポリケタイド合成酵素を用いたコンビナトリアル生合成法、
Project/Area Number |
00F00318
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
応用微生物学・応用生物化学
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
堀之内 末治 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
黄 義一 東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 外国人特別研究員
HWANG E.-I.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | コンビナトリアル生合成 / フラボノイド化合物 / 人工生合成遺伝子クラスター / ナリンジェリン / ピノセンブリン / 生合成工学 |
Research Abstract |
本研究は、従来植物にしか存在しないとされていたIII型ポリケタイド合成酵素およびその遺伝子を用いて有用物質を発酵生産させようとするものである。微生物によるフラボノイド化合物の生産のために、酵母由来のクマリン酸/シナモン酸CoAリガーゼ(ScCCL)および甘草由来のカルコン合成酵素(CHS)の遺伝子を組合わせて「人工生合成遺伝子クラスター」を造成し、大腸菌に導入、発現させた。このうち、放線菌由来のScCCLは本研究の過程で発見、性状解明がなされたものであり、この酵素のユニークな基質特異性のためにこの人工経路が可能になった。人工遺伝子群の構成として、(1)上記3遺伝子をT7プロモーターおよびリボソーム結合配列の下流に直列に連結したもの、(2)3遺伝子を単独のT7プロモーターの支配下に置くと同時にそれぞれの遺伝子の上流部にリボソーム結合配列を置いたもの、(3)それぞれの遺伝子の上流部にプロモーターとリボソーム結合配列を置いたもの、の3通りをデザインした。この人工的遺伝子群のうち(3)の構造の遺伝子群を有する大腸菌は、ナリンジェニンおよびピノセンブリンをそれぞれ約1mg/L生産した。ナリンジェニンはチロシン、ピノセンブリンはフェニルアラニンから人工的生合成経路により生成されたと考えられる。 以上、本研究はこれまで植物でしか生産されないと考えられてきたフラボノイド化合物を生合成工学(またはコンビナトリアル生合成法)を利用して世界で初めて発酵生産に成功したものである。この手法は、植物や動物由来の化合物を微生物を宿主として生産できることを示したことで、この方面の研究に大きなインパクトを与えるものと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)