条件致死変異細胞株および変異マウスを用いたCdc7類似キナーゼ複合体の遺伝学的機能解析
Project/Area Number |
00F00349
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
新井 賢一 東京大学, 医科学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KIM JUNG MIN 東京大学, 医科学研究所, 外国人特別研究員
KIM J.-M.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | cdc7キナーゼ / 変異マウス / DNA複製 / 細胞死 / P53 / Cre-loxp / ES |
Research Abstract |
Cdc7は、DNA複製開始に必須なキナーゼとして、高等動物においても構造的に保存されています。動物細胞におけるCdc7の機能は未知でしたので、今回、遺伝子欠失マウスを作製して解析を行いました。解析の結果、Cdc7欠失マウスは、胎生3.5日から6.5日の間に致死となることが明らかとなったため、条件変異ES細胞株の作製を試みました。即ち、Cre-loxP組み換え系により除去可能なCdc7 cDNAをトランスジーンとして導入したES細胞株において内在性Cdc7遺伝子を欠失させ、その後、トランスジーンを除去することにより、Cdc7欠損ES細胞株を樹立しました。この細胞株を用いて解析を行った結果、Cdc7の欠失に伴い、DNA合成の急速な停止とともに細胞増殖の停止が観察されました。興味深いことに、出芽酵母を用いた解析により得られている結果とは異なり、ES細胞の増殖は、Cdc7の欠失に伴いS期で停止することが明らかとなりました。また、複製フォークの停止に伴う組換え修復およびチェックポイント反応が誘導されることも見出しています。動物細胞における。Cdc7の基質はこれまで明らかにされていませんでしたが、今回作製したCdc欠損ES細胞株を用いた解析から、MCM2ならびにMCM4が直接の基質であることを示す結果が得られました。さらに、Cdc7を欠失したES細胞ではアポトーシスが誘導されること、この際、p53の発現量が増加するとともに核内へと移行し、標的遺伝子の発現を誘導することが見出されました。実際、Cdc7^<-/->p53^<-/->の遺伝子型を持つ胚は、胎生85日までその存在が確認されました。このような、Cdc7欠損ES細胞におけるp53依存性のアポトーシスは、全能性のES細胞遺伝的安定性を維持する上で、問題の生じた細胞については修復を試みず除去するという合目的な分子機構であると考えられます。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)