Project/Area Number |
00F00781
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
生態
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Research Institution | Tohoku University |
Host Researcher |
千葉 聡 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 助教授
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Foreign Research Fellow |
ANGUS DAVISON 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 外国人特別研究員
DAVISON A.
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Project Period (FY) |
2001 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,400,000 (Direct Cost: ¥2,400,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 種分化 / 適応放散 / 分子系統 / 陸貝 / 小笠原 |
Research Abstract |
小笠原諸島産カタマイマイ類について、生態調査およびマイクロサテライトDNA、ミトコンドリアDNAの分析を行い、本属の適応放散の状況、種分化の機構について明らかにした。母島において、ヌノメカタマイマイとコガネカタマイマイの出現頻度から生息場所の分化と活動時間の違いを検討した。その結果、両者は明らかに生活場所の分化、特に休息時の分化が顕著であることが明らかとなった。向島で生息分布の調査を行ったところ、母島の2種と同じように形態的に異なる2つのタイプがヌノメカタマイマイ個体群中に見出された。この2つのタイプは生息場所も異なっており、環境に対する選好性が異なると考えられる。マイクロサテライトDNAの変異から、この2つのタイプは同類交配していることがわかり、この島内で同所的種分化によって種分化が起きている可能性が示唆された。ミトコンドリアDNAの変異に基づき、カタマイマイ種群の系統推定を行った。その結果、従来、母島の種群は一回の父島からの移入の後、放散したと考えられていたが、父島から、ごく最近別の移住があったことが推定された。またカタマイマイには、遺伝子だけで区別できる隠蔽種が多く存在することが明らかになった。形態的な特徴と、ミトコンドリアDNA、マイクロサテライトDNAの変異の比較を行ったところ、特に母島諸島ではこれらがいずれも一致しないケースが認められた。これは、種間ないし地域集団間で、過去に雑種化が起こり、系統の異なる遺伝子群が集団中に流入したためと考えられる。以上のことから、カタマイマイ類の放散過程は同所的な分離と融合を繰り返す、網状の複雑な過程をたどったと考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)