微粒子キャリアーを利用したペプチド及びたんぱく質の生体内送達システムの開発
Project/Area Number |
00F00796
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 外国 |
Research Field |
Physical pharmacy
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Research Institution | Kobe Gakuin University |
Host Researcher |
福森 義信 神戸学院大学, 薬学部, 教授
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Foreign Research Fellow |
VENKATESAN N 神戸学院大学, 薬学部, 外国人特別研究員
VENKATESAN N.
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥2,200,000 (Direct Cost: ¥2,200,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | キトサン / ナノパーティクル / 薬物送達システム / 微粒子キャリアー / ペプチド / たんぱく質 / ワクチン / エマルション |
Research Abstract |
本研究では,種々の免疫療法において利便性・経済性に優れた一回接種で高効率な感作が可能なワクチン送達技術への応用を意図して,抗原性を有するペプチドやたんぱく質の生体内送達のための新規微粒子キャリアーの設計開発を行った。本年度は,前年度検討にて開発した天然多糖キトサンからなる非架橋型ナノ粒子(CNP)のより詳細な特性評価を行うとともに,CNPを用いた製剤の試作を実施した。 (1)CNPの特性評価: 脱アセチル化度(DA)が異なる各種グレードのキトサンを用いて乳化析出法により調製したナノ粒子についてζ電位を測定した結果,約5〜14mVを示し,これは粒子表面のアミノ基の存在を示唆した。また同種ソースのキトサンではDAが大きくなるにつれてζ電位は正値側に大きくなることが分った。一方,赤外分光分析の結果,CNPには酸性溶媒として用いたクエン酸のカルボキシル基に帰属するピークは観察されず,CNPはほぼキトサンのみからなるナノ粒子と考えられた。 (2)CNPを用いたマイクロカプセルの試作: モデルたんぱく質として牛血清アルブミン(BSA)を用いて,各種グレードのキトサンから調製したCNP水分散液の噴流層湿式スプレーコーティングによるBSA含有キトサン膜マイクロカプセル(BSA-MC)の調製を行った。BSA-MCは80〜90%の収率で得られ,平均粒子径は最小で79μm,最大で132μmであった。電子顕微鏡観察により,得られたマイクロカプセルの表面はいずれの場合もCNPで被覆されていることが確認された。一方,BSA-MCからのリン酸緩衝液(pH7.4)中でBSAの放出は極めて速やかで徐放化に至らなかった。試験後のBSA-MCの被膜に割れは観察されず十分に成膜していたが,水和により著しく膨潤しており,BSAの早い放出はこの膨潤が原因と考えられた。そこで,キトサンのアミノ基との静電相互作用により膨潤を抑制することを意図して種々の酸性添加剤を探索した結果,ラテックスタイプの腸溶性コーティング基材であるEudragit L30D-55をBSA-MCに2.5wt%量オーバーコーティングすることによって,実用的にはいまだ不十分なレベルではあるものの,BSA放出の抑制傾向が認められた。両ナノ粒子間の相互作用をより効果的に発現させるべく,CNP層とL30D層が交互になった多層コーテイング膜の形成させた場合,BSA放出の抑制率はさらに向上する傾向が見られた。今後,生体内分解型の酸性ナノ粒子の開発が要されるが,以上の検討から,たんぱく質含有放出制御型微粒子キャリアー設計の足がかりとなる知見が得られた。
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Report
(1 results)
Research Products
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