Project/Area Number |
00J00307
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General fisheries
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
小北 智之 九州大学, 大学院・農学研究院, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 緯度間変位 / 繁殖形質 / 適応進化 / 生活史進化 / 沿岸魚類 / 配偶子生産速度 / 個体群生態 / 進化生態 |
Research Abstract |
本研究では,熱帯から温帯の沿岸域に広く分布するソラスズメダイを対象に,沿岸魚類の繁殖形質の地域的適応現象を解明することを目的としている.本年度は,前年度までに詳細に検討できなかった2つの点「生活史スケジュールの緯度間変異の解析」と「中立遺伝マーカーを用いた地理的集団構造の解析」を中心に研究を行った. 野外個体群の調査結果をもとに,本種の生活史スケジュールの緯度間変異を検討したところ,本種は,生後一年で繁殖に参加し,その年の繁殖期終了後に死亡すると言う年魚的な生活史スケジュールを持つことが判明した.特にこの傾向は高緯度個体群ほど顕著で,分布域の北限である千葉県小湊の集団では,繁殖に参加している個体に2才魚は見られなかった.一方,低緯度個体群では年魚的な生活史を送る個体が多かったものの,2才まで生き残って繁殖する個体も比較的多く見られた.これらの結果は,前年度までに得られた,「高緯度個体群ほど潜在的に早い繁殖速度を保持している」という結果の進化要因を検討する際に重要な結果である.つまり,高緯度個体群は生活史全体において繁殖に費やせる時間が極端に短いので,それを補償する適応進化が起こっていることを示唆している訳である.また,マイクロサテライトDNAを用いて本種の遺伝的構造を調べたところ,地域集団は明瞭な遺伝的分化を示し,本種の遺伝子流動のレベルが小さいことが,適応度形質の地域的適応を促進しているものと推察された.
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)