ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼの基質認識機構の解明
Project/Area Number |
00J00338
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Functional biochemistry
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Research Institution | Shinshu University (2002) Kyushu University (2000-2001) |
Research Fellow |
小嶋 克彦 信州大学, 医学部, 助手
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | ミトコンドリア / プロセシング / 基質認識 |
Research Abstract |
1.ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼ(MPP)の前駆体切断部位決定機構 我々が報告した酵母MPPとペプチド基質複合体の結晶構造より酵素内のサブサイトが明らかになった。これに基づき、S2サイトを形成するラットβ-MPPのGlu191とAsp195に対する変異体それぞれを作成した。これらにさまざまなミトコンドリア蛋白質前駆体を作用させたところ、予想されたように、その影響はP2位がアルギニンである基質に顕著に現れ、P2位がアラニンである基質の切断には現れなかった。また、興味深いことに基質のひとつであるMPPα前駆体が本来のプロセシング部位(P2位アルギニン)のみならず、C末端側(P2位フェニルアラニン)をも切断されることを見出した。更に、Glu191とAsp195を同時に変異させた酵素変異体ではC末端側部位で切断された産物のみが確認された。これらのことはS2位の負電荷酸性アミノ酸が欠失したために、本来の切断部位にある正電荷アルギニンとの相互作用が失われ、その部位を認識できずC末端側のみを認識するようになったためと考えられた。このC末端切断部位の認識の際には、本来S2位と相互作用すべきアルギニン残基がα-MPP側の酸性アミノ酸と相互作用することも同時に示した。以上のことから、酵素がその内腔に取り込んだミトコンドリア前駆体をN末端側からスキャンするように切断部位を認識する新しいモデルを提唱した。(J.Biol.Chem.(2003)に発表済み) 2.ミトコンドリアプロセシングペプチダーゼによる基質切断パターンの一般化 前年に続いて、精製した酵素、基質による反応系からMPPの基質切断部位を決定した。さらに24種まで切断部位を決定したところ、P3位アルギニンとなる部位で切断される前駆体を見出した。この前駆体においてはP1'位に疎水性アミノ酸、P2'、P3'位に親水性アミノ酸という既知のMPP認識シグナルを揃えていたことから、これまで最も切断部位決定に重要であると思われてきたP2位アルギニンではなく、基質の成熟体部位の認識シグナルにより切断部位が決定されるケースがあることが示唆された。また、データベースに登録されているヒトのミトコンドリア前駆体についてMPP切断パターンを適用すると、ほとんどの前駆体で成熟体N末端と切断部位がことなることがわかり、酵母の場合と同様にMPP切断後の未知のプロセシングの存在をあんじするものであった。(論文作成中)
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