粘弾性体中におけるプレート間相互作用と地震との関係についての研究
Project/Area Number |
00J00734
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
固体地球物理学
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Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
伊藤 武男 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 粘弾性体 / 地震 / インヴァジョン解析 / 測地測量データ |
Research Abstract |
日本周辺域のプレート境界では,大地震がほぼ一定の間隔で繰り返し発生していることが知られている。大地震の長期的予測の観点に立てばテクトニック応力の蓄積過程を地殻変動データの解析を通じて明らかにすることの方が重要となる。よって我々は過去約100年にわたる測地測量データのインヴァジョン解析により地震サイクル中でのプレート間カップリングの時空間的な強度分布を推定した。 長期間にわたる測地測量データを解析するためには,アセノスフェアの粘弾性緩和を無視することができない。そのため,我々は粘弾性緩和を考慮した新しいインヴァジョン解析手法を開発した。粘弾性応答は履歴積分が必要になるため,我々は地震サイクルが92年であることを仮定することにより,プレート境界面上での辷りに対応する粘弾性応答を92年間遡って履歴積分することを可能にした。 3次元的なプレート境界面を設定し,B-SPLINE関数の重ねあわせによってプレート境界面上の辷り分布を表現する。このとき我々はいくつかの先験的な情報を仮定した。(1)空間的に辷り分布は滑らかである。(2)時間的に辷り分布は滑らかである。(3)方向がプレートの沈み込む方向に一致する。(4)地震時の辷り分布は滑らかである。(5)地震時の辷り分布の浅い領域は津波データからの辷り分布を取り入れる。 上述の解析を四国沖の南海トラフに適応した。主な特徴は1946年の南海道地震直後の主破壊領域の深部において約1mのafterslipがあることが明らかになり,地震直後の急速なプレート間カップリングの回復の存在も認められる。また,地震の90年後には四国沖に約6m,紀伊半島沖には約4mの滑り欠損の蓄積があり,この分布は1946年の南海道地震の地震時の辷り分布とよく一致する。プレート間カップリングの下限はプレート境界面の深さ約30kmに位置し,最大の滑り欠損領域を示す深さは約20kmとなっている。プレートカップリングの下限は明瞭であり,現在まで言われていた滑り欠損の遷移帯よりも狭いと考えられる。 これらの研究結果はJournal of Geophysical Researchに投稿中である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)