Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
これまでに申請者は,マルテンサイト(a')系耐熱鋼の高温域での強化手段として,炭化物とは析出サイトが異なるCu粒子の利用を提案し,9mass%Cr鋼のクリープ特性に及ぼすCu添加の影響を調査してきた.その結果,4%程度のCuの添加により破断寿命は大幅に改善されるが,その反面,Cu原子の粒界偏析に起因してクリープ変形時には粒界上で粗大なCu粒子が析出し,それらを起点として粒界クラックが発生するため破断延性が乏しくなることも判明した.今後,Cuを含有した耐熱鋼を構造部材として安全に使用するためには,高温での延性を改善することは必要不可欠である.そこで本年度は,脆化の原因であるCu原子の粒界偏析を抑制するため,第三元素を利用してCuを含有したa'系耐熱鋼の高温における延性の改善を試みた. Cu原子の粒界偏析の抑制法としては,粒界偏析元素を競合させるsite competitionという機構を応用し,Cuと同様に粒界に偏析し易く,しかも粒界に偏析してもクリープ特性に害を及ぼさないWを添加することによって,Cu原子の粒界偏析量を低減した.そして,化学成分を最適化したFe-9%Cr-4%Cu-1.5%W合金では,クリープ変形の際,粒界での粗大なCu粒子の析出が抑えられ,破断するまでに粒内変形が十分に起こっていた.その結果,高い高温強度を得ながら,しかもクリープ破断伸びを約2.5倍増大させることに成功した.
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