Budget Amount *help |
¥2,700,000 (Direct Cost: ¥2,700,000)
Fiscal Year 2002: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2001: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
Fiscal Year 2000: ¥900,000 (Direct Cost: ¥900,000)
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Research Abstract |
昨年度までに,界面膜相転移誘起の濡れ-非濡れ転移に関して,空気/ヘキサデカン/臭化ドデシルトリメチルアンモニウム(DTAB)水溶液系の濡れ挙動を研究し,界面吸着に伴って非濡れ状態から油薄膜状態への転移が起こることを明らかにした.この現象は,従来の理論に濡れ膜を介し働く表面間力を導入することにより説明された. この新しい概念を発展させて,表面間力をより包括的に取り扱える水薄膜を油上に形成することを考えた.初めに研究した空気/DTAB水溶液/フルオロヘキサン系では,密度の大きいフルオロヘキサンが重力に逆らって水相上に拡がる侵入現象が観測されたが,水膜形成を実現することはできなかった.そこで,次に界面張力の相互関係がより水膜形成に適していると思われる空気/DTAB水溶液/四塩化炭素系を実験系に選んだ.この場合,水相に塩を添加することでメゾスコピックな厚みを持つ水膜を形成することができた.これは空気/水,水/油界面に密度の大きな界面活性剤吸着層ができることで,薄膜形成に有利な分散引力が生じる為であることが理論的に推察された. 以上,吸着膜相転移に伴う油薄膜形成と油相上での水薄膜形成の2つの新規な濡れ現象を見い出すことに成功した.特に後者は,これまで実験上の困難さが伴う泡膜系や固体面が関与した系を実験系とせざるを得なかった水溶液薄膜の研究を発展させる可能性があり,これからの展開が大いに期待される.
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