雇用における年齢差別 ―アメリカ年齢差別禁止法の下における高齢者雇用―
Project/Area Number |
00J00783
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Social law
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Research Institution | Kyushu University |
Research Fellow |
柳澤 武 九州大学, 大学院・法学府, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥1,800,000 (Direct Cost: ¥1,800,000)
Fiscal Year 2002: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2001: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
Fiscal Year 2000: ¥600,000 (Direct Cost: ¥600,000)
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Keywords | 年齢差別 / 雇用差別 / ADEA / 加齢 |
Research Abstract |
本年度の研究成果としては、雇用における「年齢」差別の持つ特殊性をアメリカの年齢差別法理の動向から分析したものが中心である。最初の研究成果として、「年齢差別訴訟における正当化基準をめぐる争い --California州Marks事件と公正雇用住宅法改正--」九大法学84号237頁(2002)があり、年齢差別の一類型としての「賃金を理由とする解雇」の禁止が制定される契機となったMarks事件判決から州議会による法改正までを紹介した。そこには「性差や人種を理由とする差別による訴えと同じ範囲の法理論で」という理念を明確に打ち出す議員達の努力があった。カリフォルニア州の公正雇用住宅法改正は、何が差別で何が差別ではないかの最終決定を市場原理へ委ねてしまう州裁判所の傾向に歯止めをかけたのである。 続いて、本年度最大の研究成果として、アメリカでも加齢に随伴して高齢労働者が「高価」になるという傾向は日本と共通しており、このような年齢相関要素と年齢差別の成否について検討した「賃金コストを理由とする解雇・採用拒否と年齢差別 --アメリカADEAにおける判例法理を手がかりに--」季刊労働法201号172頁(2002)がある。同論文では、現在の連邦判例法理について(1)採用段階での証明困難性、(2)現行判例法理の限界点、という二つの課題と学説の多様なアプローチを示し、年齢相関要素が日本の雇用慣行と深く結びついている現状において年齢差別禁止法を導入できる可能性を提示している。 今後は、より本格的な日米比較へ向けて、日本における年齢規範の歴史について研究を進めていく計画である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)