概日リズムのペースメーカーホルモンPDH受容体の発現クローニング
Project/Area Number |
00J00791
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Structural biochemistry
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
白須 直人 九州大学, 大学院・理学研究院, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | 概日リズム / ペースメーカーホルモン / 受容体 / 発現クローニング / 時計タンパク質 |
Research Abstract |
近年、甲殻類の色素拡散ホルモンの昆虫ホモログpigment-dispersing hormone (PDH)ペプチドが概日リズムのペースメーカーペプチドであることが強く示唆されている。しかしながら、いまだPDHに対する受容体タンパク質に関する知見はほとんど得られていない。本研究の目的はショウジョウバエにおいてPDH受容体を同定し、概日時計の分子機構を解明することである。今年度の研究成果として、(1)先年度合成した放射標識PDHペプチド([^3H]PDH)をトレーサーとして用い、ショウジョウバエ頭部由来の調製細胞膜標品に対して飽和結合試験を行った。その結果、[^3H]PDH特異的結合が観測され、ショウジョウバエの細胞膜上にPDH受容体が存在することが初めて明らかとなった。Scatchard解析を実施した結果、結合解離定数はK_D=35.6nMと見積られた。(2)PDH受容体が核内に存在する可能性を考慮した場合、その候補としてはPDHの機能および局在細胞から考えて、振動体時計タンパク質群が挙げられる。そこで、ショウジョウバエ頭部由来cDNAライブラリーより、period、timeless、clock、およびcycleなどの概日時計の振動体を構成する中心的な時計遺伝子のクローニングを行い、これを達成した。これらを大腸菌および昆虫細胞における発現用プラスミドに組み込んだ。大腸菌を用いて各種時計タンパク質の発現を試みた結果、CYCLEタンパク質全長、およびCLOCKのPASドメイン部の発現・精製に成功した。表面プラズモン共鳴センサーを用いて、CYCLEとPDHペプチドとの相互作用のリアルタイム解析を行った結果、PDHはCYCLEとは相互作用しないことが判明した。一方で、CYCLE/CLOCK二量体のDNA結合能と二量化形成能が、細胞の酸化還元状態によって調節されるという興味深い結果を得るに至った。 3年の研究期間を通じて、合成例のない放射標識PDHの合成を達成し、これを用いてPDH受容体が細胞膜上に存在することを初めて示す結果を得ることができた。これは、概日時計の分子機構が解明される時を大きく短縮すると考えられ、意義深い研究成果である。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)