Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度の成果は大きくわけて以下の二つ、「低周波縦振動子の開発」、「大型低温重力波レーザー干渉計LCGTの冷却系の設計」が挙げられる。これらの成果の内、前者の概要と結果をまとめる。重力波レーザー干渉計にとって地面振動の防振は必須事項である。それは地面に対して水平方向の振動だけでなく垂直方向についても防振する必要性がある。垂直方向の防振機構の基本要素となるのが縦振動子である。とくにLCGTの様な低周波での高感度化が求められる検出器の場合1Hzを下回る共振周波数を持つ振動子が必須である。しかしながら低周波縦振動子には「重りにかかる重力」を支えつつ、「小さいばね定数」を実現するようなばねの開発が必要になる。この二つの要求を満たすため、「定張力ばね」に「テーパーをつけたリボン」を用いる事を新たに考案した。最終的に、このばねを二つ用いて重さ約150gの重りを吊して縦振動子を作り、縦方向の伝達関数を測定した。この時の延びは6cmで、共振周波数0.4Hzを達成している。通常のコイルばねを用いた場合延び6cmで得られる共振周波数は2Hzである。これは1N/mのばね定数を実現した事になる。そして、1Hzで-20dBの防振比を得た。