Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
今年度私は、非対称なビームパイプが引き起こすビームのチューンシフトの研究とERLでのウェイクの効果が引き起こすビームの不安定性について研究した。非対称な断面をもつビームパイプはビームにチューンシフトを与えると考えられてきた。それは、このビームパイプが引き起こすレジスティブウェイクが、ウェイクの効果を受ける粒子の座標の関数だからである。従来、レジスティブウェイクの計算はビームパイプの厚みが無限大として行われてきた。しかし、これではビームのチューンシフトは無限大となる。今回の研究ではビームパイプの厚みを有限として、電磁場がビームパイプからもれ出す効果を考慮することにした。その結果、チューンシフトは有限になることが判った。この結果は実験値と比較すると4分の1小さいが、それはビームパイプの外側の要素の効果を考慮する必要があるためであり、今後、精確にチューンシフトを計算するには、加速器の構成要素の正確な情報が必要となることが判った。ERLとは、リナックとリングで構成される還流型リナックの事で、粒子が一回目にリナックに入射される時には加速され、周回後に入射する時には減速される。このような還流型リナックではウェイクの効果を押さえることが重要である。今回、このような観点から、要求される閾値電流をうる為に、2種類のビーム輸送系を考えた。一つは、収束力として磁石を使うもので(ケース1)、二つ目はRFQを使うものである(ケース2)。今回の研究の結果、要求される閾値電流をうる為に重要な事は、β関数が小さいこと。アーク部のβ関数の位相進度が適切なものに選べている事。加速管のウェイクの周波数がガウス分布に従うずれを持つこと。各加速管がリナックにそって適切に並べられていること。であり、これらを注意すれば、ケース1の場合には閾値電流を100mA、ケース2については600mA出せる事が判った。
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