オキシスルフィド系リチウムイオン伝導ガラスの高機能化と全固体二次電池への応用
Project/Area Number |
00J00917
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
無機工業化学
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Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
林 晃敏 大阪府立大学, 工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | リチウムイオン / 固体電解質 / 全固体電池 / ガラス / ガラスセラミックス / メカニカルミリング / 硫化物 / ハイブリッド |
Research Abstract |
Li_2S-P_2S_5系ガラスの高いガラス転移温度(T_g>200℃)を低下させて、電解質の導電率向上と成形性の付与を目的として硫化物ガラスとポリエチレンオキシド(PEO)系ポリマーのハイブリッド化を試みた。ハイブリッド化によりガラス転移温度は低下したが、室温における導電率は10^6 S cm<-1>オーダーの低い値となった。導電率低下の原因は、PEO中のエーテル酸素がリチウムイオンを強くトラップしたためと考えられる。 メカニカルミリング法を用いて合成したLi_2S-P_2S_5-SiS_2系ガラスを加熱結晶化することで得られたガラスセラミックスは、室温において10^<-3> S cm<-1>以上の粉末成形体としては極めて高い導電率を示すことを明らかにした。構造解析の結果、ガラスセラミックス中には、最近室温において高い導電率を示すことが報告されたLi_4GeS_4-Li_3PS_4系固溶体であるthio-LISICON結晶と類似の結晶相が析出していることがわかった。この結晶相の形成がガラスの導電率を向上させたと考えられる。またこの結晶相は、Li_2S-P_2S_5-SiS_2系の固相反応では生成しないことから、今回メカノケミカルガラスから初めて析出させることに成功した。 上記の検討により得られた高イオン伝導性を示すガラスセラミックスを固体電解質に用い、正極にLiCoO_2、負極にInを用いた全固体型セルは、室温において二次電池として機能し、100サイクル以上の充放電を行っても100mAh/g以上の大きな可逆容量を維持することを見出した。薄膜電池を除き、これほどの高容量を保持し、サイクル特性に優れた全固体リチウム二次電池の報告例はなく、本研究で開発したLi_2S-P_2S_5系をベースとするガラスセラミックスが全固体二次電池用の固体電解質として高いポテンシャルを有していることが明らかになった。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)