幼児同士の話し合いにみられる発達的変化 -話し合いに介在する要因のダイナミックス-
Project/Area Number |
00J01007
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育・社会系心理学
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
倉盛 美穂子 広島大学, 大学院・教育学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,300,000 (Direct Cost: ¥3,300,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,100,000 (Direct Cost: ¥1,100,000)
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Keywords | 幼児 / 協同問題解決 / 発達 |
Research Abstract |
社会的相互作用を通じて新しい知識の獲得を目指す教育方法は、幼児期においても注目されている方法である。しかし、経験則に基づいて進められることが多く、発達的な特徴は十分に説明されていない。本研究は、幼児期のコミュニケーションスキルの発達を調べた上で、幼児期の協同問題解決場面の特徴を、課題知識及びコミュニケーションスキルとの関連から明らかにすることを目的とした。 年少児、年中児、年長児のコミュニケーションスキル(主張性:自分の意見を述べる、認知的共感性:相手の意見を聞こうする)について縦断調査を行った。コミュニケーションスキルを評価したのは、保護者及び彼らの担任教師であった。結果、保護者も教師も、年少児から年中児にかけての時期に特にコミュニケーションスキルが向上すると判断していた。また、実験的観察法を用いて、ブロック課題に関する知識とコミュニケーションスキルの高低による協同問題解決場面の発話及び行動を検討すると、年少児は課題知識を有している場合でも、コミュニケーションスキルレベルが低いために課題知識を言語的に伝達することが難しいが、年中児や年長児のコミュニケーションスキルレベルであれば、有している課題知識を言語的に伝達することが可能であった。発達的には、年少児から年中児にかけての時期に、協同問題解決場面での行動や発話に量的質的な変化が生じていることが示された。非言語での伝達行動は年少児でもある程度可能で、年少児から年中児にかけて大きな発達的な変化を示すこと、しかし、この変化以上に言語的な伝達が年少児から年長児にかけて急激に発達することがわかった。行動の発達に言語発達が加わってくると、課題知識の伝達にかかる所要時間が少なくなることから、コミュニケーションスキルの発達が協同問題解決の中身に重要な意味をもっていることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)