Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
平成12年度に採取したヒトbcl-2-GFP遺伝子導入PC12細胞と同遺伝子導入HeLa細胞を免疫組織化学的手法を用いて、観察検討した。すなわち、通常状態で培養したヒトbcl-2-GFP遺伝子導入PC12細胞と同遺伝子導入HeLa細胞、また、細胞死を誘導した後の同細胞(PC12細胞は血清除去24時間後、HeLa細胞はTNF-αにて細胞死を誘導した)を0.1%グルタールアルデヒドならびに4%パラホルムアルデヒド(0.1MPB緩衝液)で固定し、凍結薄切切片を作製し、抗GFP抗体、抗Bcl-2抗体を用いて、免疫染色を施し、電子顕微鏡にて観察を行なった。その結果、通常状態で培養したヒトbcl-2-GFP遺伝子導入PC12細胞と同遺伝子導入HeLa細胞では、いずれの細胞でもBcl-2はミトコンドリアの内外膜、特に内膜に局在し、その他、核膜や小胞体と思われる構造物にも局在していた。一方、細胞死を誘導されたヒトbcl-2-GFP遺伝子導入PC12細胞と同遺伝子導入HeLa細胞では、Bcl-2の局在に変化が起こり、Bcl-2はミトコンドリアの内膜から、ほとんどが消え、ミトコンドリアの周囲に観察された。また、Bcl-2をtime-lapse microscopeで経時的に観察したところ、Bcl-2は顆粒状であった。細胞死を誘導したところ、顆粒状だったBcl-2は細胞質に拡散するように観察された。それぞれの細胞を固定し、免疫染色したところ、チトクロームcは細胞死誘導前はミトコンドリアに局在し、細胞死誘導後は細胞質に流出した。これらのことから、Bcl-2がミトコンドリアから細胞質に移行した後に、チトクロームcがミトコンドリアから流出することが強く示唆された。
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