高感度走査プローブ法による生体分子間相互作用の1分子検出
Project/Area Number |
00J01838
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
物理学一般
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
曽和 義幸 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 生体分子間相互作用 / 1分子計測 / ナノメートル精度 / 分子モーター / べん毛モーター / エネルギー変換 |
Research Abstract |
本研究では、1分子レベルで生体分子間に働く力を計測し、分子認識・機能発現のメカニズムに迫ることを目的としている。 今年度は、ナトリウム駆動型べん毛モーター1個の力学特性を計測することを目的とした。べん毛モーターの回転を調べるため、べん毛繊維にプローブとして微小なビーズを結合させ、その回転運動を高感度計測した。次に、ビーズとべん毛繊維の粘性抵抗を計算することで発生トルクを見積もり、モーターの基本特性であるトルク-スピードの関係を計測することができた。モーターには複数個の分子が関与していることが予想されている。阻害剤を加えることで関与する分子群を変化させたときの出力特性の変化を計測し、相互作用している分子の数を特定した。これらのデータは、大腸菌などが持つプロトン駆動型べん毛モーターの特性と良く一致し、基本的な回転メカニズムが共通であることを明らかにした。また、外液のナトリウム濃度を変化させることで入力エネルギーを変調し、出力特性を計測した。この結果は、絶対的なイオンの濃度が回転速度に影響すると仮定したモデルで良く再現することができた。つまり、イオンはイオン駆動力の一部(濃度勾配がエネルギーに変換されている)として使われるのではなく、イオンとモーター分子が相互作用する過程が回転の素過程の一つになっていることを明らかにしたと言える。 今後は、べん毛モーターの回転運動の精密な解析や、様々な条件での出力特性を計測することで、タンパク質間やタンパク質-イオン間の分子認識、エネルギー変換のメカニズムについて考察することが必要となるであろう。
|
Report
(1 results)
Research Products
(2 results)