Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
申請者は、当研究室で開発した光学活性C_2対称ジオールを不斉源とする分子内ハロエーテル化反応を用いる、σ対称シクロヘキサジエンアセタールの不斉非対称化によって得られる光学活性シクロヘキセン誘導体を出発物質とした、光学活性天然物の不斉合成研究を目的として研究を行っている。今回申請者は、Stemonaアルカロイドの代表的な化合物であるstenineの構造異性体の合成に興味を抱き、検討を行った結果、立体選択的なアルキル側鎖の導入から、分子内aza-Wittig反応と続くイミンの還元による五員環の構築、分子内縮合による七員環の閉環反応などを経て、stenineの9a位エピマー、9a-epi-stenineの不斉合成に成功した。一方、新たなターゲットとして、中性スフィンゴミエリナーゼ(N-SMase)阻害作用を有する生物活性天然物scyphostatinの合成研究を行い、検討の結果、二酸化セレンによる位置および立体選択的なアリル位の酸化を足掛かりとし、ジアステレオ選択的なエポキシ化などを経て、scyphostatinのエポキシシクロヘキセノン部に相当する化合物の立体選択的な合成に成功した。また、以前報告した、分子内ハロエーテル化反応を鍵反応とし、光学活性C_2対称ジオールを不斉源とするノルボルネンアルデヒド類の速度論的光学分割法が、3位にendo置換基を有する基質にも適用可能であることを明らかにした。
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