生体防御機構に関与するプロテインキナーゼ及び関連分子群の生理的機能の解明
Project/Area Number |
00J01900
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Experimental pathology
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Research Institution | Osaka University |
Research Fellow |
山条 秀樹 大阪大学, 医学系研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | TAK1 / 炎症性サイトカイン / 遺伝子欠損 / Cre / loxP system / MAPK / NF-κB |
Research Abstract |
本研究では、炎症性サイトカインのシグナル伝達経路における関与が示唆されている分子TAK1及びTAB2について、遺伝子欠損マウスを作製し、その解析を行っている。昨年度末に報告したTAB2遺伝子欠損マウスの作製ならびにその解析結果は、今年度国際雑誌に投稿し、受理された(Sanjo H et. al. M.C.B. Vol.23 No.4 2003)。本年度は主にTAK1遺伝子欠損マウスならびにTAK1欠損細胞を作製し、その解析を行った。TAK1欠損マウスが胎生致死となることは昨年報告している。そこでTAK1欠損マウスの致死となる時期を調べてみたところ、胎生9.5-11.5日の間に致死となっているものと考えられた。TAK1欠損胎仔は野生型と較べ、著しい成長遅延が観察された。次に生化学的な解析を行う為に、この胎仔を使って線維芽細胞を樹立することを試みたが、TAK1欠損胎仔由来の細胞を樹立することが出来なかった。そこでCre/loxP systemによるconditional mutagenesisを導入することにより、TAK1欠損マウス線維芽細胞の作製に成功した。この細胞を用いて、炎症性サイトカインのシグナル伝達におけるTAK1の役割について検討を行った。まず野生型及びTAK1欠損細胞を炎症性サイトカインの1つIL-1や細菌菌体成分として知られるLPSで処理し、培養上清中のIL-6の濃度を調べてみたところ、野生型と較べて、TAK1欠損細胞においてIL-6の著しい産生能の低下が認められた。またTAK1欠損細胞にTAK1遺伝子を再導入することにより、IL-6産生能の回復が認められた。またIL-1やLPS刺激により発現誘導されることが知られるIκBαやRANTES遺伝子の発現について調べてみたところ、TAK1欠損細胞ではこれらの遺伝子発現誘導の低下が認められた。次に炎症性サイトカインの1つTNFαで処理したところ、TAK1欠損細胞において著明な細胞死が観察された。そこで生化学的な解析を行ったところ、TAK1欠損細胞ではIL-1、TNFα刺激に伴うMAPK及びNF-κBの活性化が著しく障害されていることが明らかとなった。これらの結果から、TAK1が炎症性サイトカインのシグナル伝達経路において必要不可欠な分子であることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)