Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
RNA結合蛋白質による遺伝子発現の転写後制御は神経系の初期発生における細胞運命決定に重要な役割を果たすことが報告されている。RNA結合蛋白質Musashi(MSI)は、ショウジョウバエ複眼の神経細胞分化において神経分化抑制因子TTKの発現を制御することにより特定の神経細胞分化を促進する一方、その他の神経細胞の成熟や生存の維持に重要な役割を果たす(Hirota et al.,1999)。代表者は昨年度、MSIと類似した発現パターンを示すP因子挿入系統を得てその近傍に位置する遺伝子tincarをクローニングした。今年度は引き続きtincar遺伝子の発現制御に関する研究を行った。tincar遺伝子は新規の膜8回貫通型蛋白質をコードし、その遺伝子産物は細胞膜に主に存在することを明らかにした。tincar遺伝子の光受容細胞分化における機能を明らかにするために、生体内でRNA干渉法を行った結果、光受容細胞の分化に異常が引き起こされたことから、tincar遺伝子が光受容細胞の分化に関与することが示唆された。さらに、tincar遺伝子は光受容細胞や中枢神経系に発現するとともに、発生過程の心臓においても非常に興味深い細胞サブセット特異的な発現を示すことに注目した。tincar遺伝子の心臓での発現パターンを詳細に解析し、その発現が核内受容体型転写因子Seven-upおよびホメオドメイン型転写因子であるTinmanによって制御されていることを明らかにした(Hirota et al.,2002)。これらの研究成果により、新規膜蛋白質であるTincarが神経系および心臓という異なる組織の発生過程に関与することが示唆された。
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