アポリポタンパク質による細胞内コレステロール搬出機構の解析
Project/Area Number |
00J02027
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General medical chemistry
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Research Institution | Nagoya City University |
Research Fellow |
山内 祥生 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 特別研究員(DC1)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Keywords | コレステロール / HDL / アポリポタンパク質 / ABC transporter / protein kinase C / リン酸化 |
Research Abstract |
本研究はアポリポタンパク質によるHDL新生メカニズムをシグナル伝達系の面から解析し、この機序の分子的基礎を築くことを目的としている。今年度の研究により以下の結果が得られた。1.ヒトの線維芽細胞株WI-38において、apoA-IはABCA1のタンパク質レベルを上昇させたが、ABCA1のmRNAレベルは上昇させなかった。タンパク質合成を阻害してもapoA-IはABCA1のタンパク質レベルを上昇させたほか、ABCA1をRI標識してその分解を観察した結果、apoA-Iはその分解を抑制した。したがって、apoA-IはABCA1の分解を抑制し、その安定化を引き起こすことが明らかとなった。2.apoA-Iと同様、カルパイン阻害剤はABCA1の分解を抑制した。3.Protein kinase C (PKC)阻害剤はapoA-IによるABCA1の安定化を抑制し、apoA-I依存的な脂質の放出も抑制した。一方、PKC活性化剤はABCA1のタンパク質レベルを上昇させた。4.PC-PLCの阻害剤は、apoA-IによるABCA1の安定化とapoA-I依存的な脂質の放出を抑制した。5.WI-38にGFPを結合したPKCαを発現させ、その活性化を顕微鏡下で観察した。その結果、apoA-I刺激によってGFP-PKCαは細胞質から細胞膜などへ移動し、この移動はPKC阻害剤によって完全に抑制された。したがって、apoA-IがGFP-PKCαを活性化することが明らかになった。6.WI-38においてPKC活性化剤はABCA1のリン酸化を促進した。また、apoA-I刺激によってもABCA1のリン酸化は促進された。以上の結果より以下の結論を得た。apoA-Iは細胞と相互作用することでPC-PLCを介してPKCαを活性化し、この活性化によってABCA1の安定化とABCA1のリン酸化が誘導され、HDL新生反応が促進されることが示唆された。
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Report
(1 results)
Research Products
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