Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
本年度は、これまでに構築した輸送方程式のモデルの精度をさらに向上させるため、新たに燃焼前後の密度比が異なる場合の直接数値計算を行った。この結果、密度比7.53(一昨年度)、5.00(今年度)、2.50(昨年度)の3ケースの十分に発達した乱流予混合火炎のデータベースを構築し、精度の良いモデルの構築ができる環境を整えた。まず、密度比5.00の輸送特性の解析を行った。乱流エネルギーの輸送方程式の解析から圧力の関係する項が火炎領域内で乱流エネルギーを増加させること、乱流スカラー流束の輸送方程式の解析から圧力の関係する項と速度変動と平均反応速度の関係する項が逆勾配拡散の発生要因であることが明らかとなった。これらは、密度比7.53、2.50の場合とほぼ同様の結果となった。次に、これまでに構築したモデルを密度比5.00のデータで検証した。乱流エネルギーの輸送方程式の平均圧力勾配項、圧力膨張項、燃焼に起因する項のモデルは、それぞれ密度比が異なる場合でもモデル定数がほぼ同じ値で精度良くモデル化できたことが確認された。乱流スカラー流束の輸送方程式の平均圧力勾配項のモデルは精度良くモデル化できたが、圧力変動項、散逸項及び速度変動と平均反応速度の関係する項のモデルは密度比が異なる場合にモデル定数の値などに多少の違いがあった。圧力変動項のモデルは改良により高精度化することができたが、残りの項のモデルはさらに継続して検討する必要がある。また、乱流燃焼モデルを用いた数値シミュレーションを実行するには、乱流燃焼に対応する散逸率や平均反応速度などのモデル化も行う必要があり、これらの検討も行った。ただし、非常に現象が複雑なため今後も検討を継続する必要がある。なお、モデルの改良、散逸率・平均反応速度のモデル化は、ロラン・ボルギ教授(フランス)との意見交換、情報の提供を受けて行った。
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