Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
|
Research Abstract |
本研究では、前年度に引き続き、好熱菌Thermus thermophilus Cspホモログタンパク質の安定性及びダイナミクスの研究を行った。 熱測定などを用いたTth Cspのダイナミクスの解析: 高次構造を調べるため、同大学の曽田教授らとの共同研究で放射光施設SPring-8において、X線少角散乱実験を、また、東工大生命理学有坂助教授との共同研究で溶液沈降実験を行った。その結果、ある条件で二量体以上の会合構造をとることが示唆された。 さらに、構造安定性を解析するため、高感度示差走査型熱量計(DSC)を用い、熱変性過程を測定した。その結果、pH4〜6において良好な変性曲線を得ることが出来た。さらに、高感度滴定型熱量計(ITC)を用い、DNAとの結合反応が解析をした。 これらの結果などを基に、熱測定の手法に関するの論文を数報発表、また執筆中である。また、前年度までの結果と併せ、本タンパク質の諸性質に関する研究について、第16回Protein Society年会(San Diego, CA, USA)にて発表し、さらに、この諸性質をまとめた論文を投稿中である。 C末端アミノ酸残基の役割: 別種由来Cspの構造を基に、計算機シミュレーションを応用したホモロジーモデリングを行った。本タンパク質のC末側の5残基が全体の立体構造に影響を与えることが示唆された。さらに、本タンパク質は、常温菌相同タンパク質より熱安定性が高く室温における核酸との結合親和性が高かった。そこで、C末端残基を欠損させた変異体などを作成した。 いくつかの変異体の核酸結合能を調べたところ、予想に反し、野生型と変化しないことがわかった。安定性への寄与について、研究指導者の城所俊一助教授らにより、研究が継続中である。 以上、総括すると、会合しやすさなどの点で条件検討に苦労したが、本タンパク質がダイナミクス研究のよいモデルになることが示された。今後、本研究結果を基にして、さらに研究が発展するものと期待される。
|