遷移金属を含むフリーラジカルの高分解能分光とセラミックス合成過程診断への展開
Project/Area Number |
00J02060
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
Physical chemistry
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Research Fellow |
並木 恵一 長岡技術科学大学, 大学院・工学研究科, 特別研究員(PD)
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Keywords | 高分解能分光 / 遷移金属化合物 / プラズマ気相反応 |
Research Abstract |
本年度は、TiOの高分解能分光およびアモルファス窒化炭素(α-CN)薄膜生成過程に関する研究を行った。 1.Davis教授(カルフォルニア州立大)により測定されたTiO(C^3Δ-X^3Δ)の高分解能発光スペクトルの解析を行った。この解析により、未知の^1ΠI状態の分子構造および電子構造に関する知見を得た。また、既に報告されている様々な電子遷移のデータを加えて総合的に解析することで、高い振動準位(ν【less than or equal】5)まで分子定数を精度良く決定した。このようにして得られた分子定数を用いてC^3Δ状態の分子ポテンシャルを計算した。新たに得られたC^3□状態のポテンシャルと報告されているX^3Δ状態のポテンシャルからスペクトル強度因子を高い信頼度で計算した。昨年度測定したスペクトル強度分布を解析することにより、電子遷移モーメントの核間距離依存性を高い精度で決定した。 2.ECRプラズマ内に存在する自由電子が気相化学反応および材料の機能性に与える効果を調べる目的で、ArのECRプラズマを利用したα-CN薄膜の研究を行った。Arの分圧を一定にし、膜の前駆体であるBrCNの分圧を変化させて生成した薄膜の硬度を測定した。その結果、BrCNの分圧が増加するにつれ、硬度は減少することが見出された。この特性とプラズマとの関係を明らかにするために、ラングミュラープローブ法を用いてArプラズマ中に存在する自由電子の温度および密度を見積った。得られた自由電子の情報とα-CN膜の硬度との関係を検討したところ、自由電子の振舞いがα-CN薄膜の硬度に与える影響は次のように解釈された。(1)ECRチャンバー内で共鳴加速された高エネルギー電子は基板ステージに到達・流入することにより、基板に掛かる負の値を持つ自己バイアス電圧は増加する。(2)この電圧の増加により、基板近傍に存在するArイオンは基板の方に強く引き付けられる。そして、(3)優先的に弱い結合が切られ強い結合だけが残り膜は硬くなる。添加したBrCNは自由電子との衝突を通して電子の運動エネルギーを吸収して解離励起する。したがって、基板に到着する電子の運動エネルギーは大きく減少し、自己バイアス電圧の低下をもたらす。その結果、薄膜の硬度は減少すると考えられる。
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Report
(1 results)
Research Products
(9 results)