虚血による細胞死に関する新規遺伝子のクローニングとその解析
Project/Area Number |
00J02333
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Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
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Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
General physiology
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Research Institution | Kanazawa University |
Research Fellow |
小澤 健太郎 金沢大学, 大学院・医学系研究科, PD
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Project Period (FY) |
2000 – 2002
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Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
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Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Keywords | 遺伝子治療 / 小胞体 / 遅発性神経細胞死 / 脳梗塞 / 分子シャペロン / 神経細胞死 / 痴呆 / 成人病 |
Research Abstract |
我々は低酸素に暴露したアストロサイトに誘導される蛋白のクローニングを試み、小胞体に局在する分子シャペロンORP150をクローニングし、ORP150が低酸素、急性虚血などのストレスにおけて細胞の生存に大きな役割を果たしていることを証明してきた。今回、我々は砂ネズミの5分虚血によって起こる遅発性神経細胞視のモデルを使い、急性期の神経細胞死でなく、慢性期の神経細胞死においても小胞体にストレスがかかり、ORP150を強制発現することにより、神経細胞死を防ぐことができるのではないかと仮定した。砂ネズミの5分虚血モデルを作成、その海馬部分をORP150に対する特異的な抗体を使ってORP150の発現を検討したところ、海馬の神経細胞においてORP150の発現が上昇していた。次に砂ネズミの海馬にORP150を強制発現させるため、我々はORP150を強制発現させるアデノウイルスを砂ネズミの海馬のCA1領域に打ち込み、その後5分間の虚血をおこなった。ORP150を強制発現させるとウイルスに感染した領域に限局して、神経細胞死が防がれており、ORP150が遅発性神経細胞死を抑制していることが証明された。またラットより初代培養細胞をとり、その神経細胞にアデノウイルスを感染させた後、細胞死を起こすような薬剤に暴露し、ORP150の細胞保護のメカニズムを検討したところ、ツニカマイシン、サプシガルギンなど小胞体にストレスを与える薬剤とグルタミン酸においてはORP150の細胞保護効果が認められたが、砒素、過酸化水素などにおいては認められなかった。このことより砂ネズミの海馬における遅発性神経細胞死は少なくとも部分的には小胞体障害による細胞死であり、ORP150を強制発現させることでその細胞死を抑制することができることが証明された。このことは脳梗塞における遺伝子治療の可能性を示すものである。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)