Budget Amount *help |
¥3,900,000 (Direct Cost: ¥3,900,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,500,000 (Direct Cost: ¥1,500,000)
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Research Abstract |
冷温帯落葉広葉樹林に生育する落葉広葉樹(ミズナラ,カニデ2種,オオカメノキ,ノリウツギ)の実生を対象に,以下の研究を遂行した。 1 林床に生育する実生の光合成特性および地上部3次元構造(葉の形態,葉面傾斜と方位),光環境の測定を行った。これらのデータをもとにモデルシミュレーショシを利用して解析を進めた結果,林床に広く分布する実生は,個体それぞれの光環境に応じた光合成特牲をもつこと,その実生を覆う林冠を構成する枝葉の密度と空間分布に応じて形成される光環境(林床への入射光強度,方向性)に応じて葉面傾斜および方位を調整していること,の2点が解明された。本研究成果を論文として国際的な生態学雑誌Oecologiaに投稿して,掲載が認められた。現在印刷中である。 2 上記の落葉広葉樹の実生を高山試験地の圃場で栽培し,強光環境に対する光合成特性,地上部3次元構造の反応を測定,解析した。その結果,落葉広葉樹林の林冠木となるミズナラや生育光環境の範囲が広いノリウツギでは,強光を光合成に効率的に利用できる生理学的特性を発達させることが可能なこと,これにより,地上部3次元構造による強光回避はそれほど必要ないことが示唆された。一方,カエデやオオカメノキのように森林内のやや暗い環境に生育する種では,光合成による強光利用能力は低いため,地上部3次元構造の調整によって強光を回避することが重要であることが示された。本研究成果は2003年3月下旬に開催される日本生態学会大会において発表する予定であり,その後は学術論文として発表する。
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