Budget Amount *help |
¥3,600,000 (Direct Cost: ¥3,600,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,200,000 (Direct Cost: ¥1,200,000)
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Research Abstract |
今年度は超小型3次元光回路実現に向けて,1)より強い光閉じ込め効果を持つ3次元フォトニック結晶に発光体および点欠陥を導入し,点欠陥による自然放出制御現象の観測を行う,2)光回路の重要な構成要素である3次元フォトニック結晶光導波路を光通信波長域で実現し,その特性を明らかにする,を行った。以下にその概要を記す。 1.点欠陥をもつInGaAsP多重量子井戸発光層の上下に4層3次元フォトニック結晶を形成した9層積層構造を実現することに成功した。これは昨年度の5層積層構造に比べて積層数が2倍に増加した構造であり,より強い光閉じ込め効果が期待できる。また光学特性を評価した結果,強い光閉じ込め効果を反映して,点欠陥のQ値として約100程度と,昨年度に比べて2倍以上の光閉じ込め効果を観測することに成功した。またQ値は理論計算とも一致しており,今後積層数を増加させることで指数関数的に増加し,数十万以上の値が期待できることが分かった。 2.光通信波長域にフォトニックバンドギャップをもつ9層3次元フォトニック結晶中に,光導波路として直線状欠陥を導入した構造を実現することに成功した。 3.導波路端面から波長可変レーザー光を入射させた結果,3次元フォトニック結晶光導波路における光伝搬を初めて観測することに成功した。また3次元FDTD法を用いた理論計算で伝搬損失を解析した結果,実験と計算が良く一致すること,また積層数を倍にすることで損失が2桁減少し光導波路として有効であることを明らかにした。 以上,本年度の研究では,3次元光回路の重要な構成要素である点欠陥共振器と光導波路について,構造を実現すると同時にその特性を明らかにした。今後の展開としては,点欠陥については積層数をさらに増やすことで光閉じ込め効果をさらに強くすると同時にストリークカメラなどを用いてフォトニックバンドギャップによる自然放出の抑制・増強を直接的に評価すること,光導波路については積層数増加により伝搬損失を低減すること,などが挙げられる。
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