Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
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Research Abstract |
本研究は,二価のケイ素活性種であるシリレンや,同ケイ素上に金属とハロゲン原子を有するシリレノイドについての研究であり,中心ケイ素上に配位性置換基である8-ジメチルアミノ-1-ナフチル基を導入することにより,アミノ基の分子内配位がそれらのケイ素活性種の反応性に及ぼす影響について明らかにすることを目的としている。本年度は,フルベン化合物を用いた塩基配位シリレンの捕捉や,配位元素を窒素から16族元素である,硫黄・セレンへと変換したカルコゲン配位シリレンの発生をおこなっており,以下に挙げる成果を得た。 1)窒素配位シリレンの捕捉剤としてフルベン化合物を用いることにより,シライリドに由来する双性イオン構造を保持したままでのシリレンの捕捉を試みた。その結果,目的とするアンモニウムシクロペンタジエニドは生成するものの,ケイ素中心がケイ素カチオンとしての高い反応性を有しているために,ケイ素がフェニル基を分子内求電子攻撃し,水素原子のシグマトロピー転位を伴って環化生成物が得られた。 2)配位元素として硫黄およびセレン,また,ケイ素上の官能基としてメトキシ基を導入した五配位メトキシジシランの熱分解反応をおこなったところ,メシチレン還流温度において熱分解反応が進行し,カルコゲン配位シリレンが生成した。これまでと同様に,ジフェニルアセチレンを用いた捕捉反応を行うと,硫黄配位シリレンからは,シラシクロプロペンがアルコールにより開環したアルコキシエテニルシランが得られた。また,セレン配位シリレンからは,同様のシラシクロプロペン由来の生成物に加え,セレノ基がケイ素上へ転位した後にアルコールで置換されたシラフェレン生成物が得られた。これらの結果は,15族元素配位の場合とは大きく異なっており,シリレンの反応様式と配位元素の特性との相関が明らかとなった。
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