Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
高等植物の葉緑体には、核コードのT7ファージ型RNAポリメラーゼ(NEP)と葉緑体コードのバクテリア型RNAポリメラーゼ(PEP)が共存している。葉緑体ゲノム上のハウスキーピング遺伝子の多くは主にNEPによって転写されると考えられているが、NEPによる転写に関する研究は、5年前にNEP本体をコードする遺伝子(RpoT3)が単離されたもののその後大きな進展がない。その理由の一つとして、転写調節因子がほとんど同定されていなかったことが考えられる。そこで本研究では、NEPによる葉緑体遺伝子の転写制御機構の一端を明らかにすることを目的として、新規なRpoT3結合タンパク質を同定し、その機能解析を行った。RpoT3をN末端領域とC末端領域に分けて、それぞれと相互作用するタンパク質を公募のTwohybrid Screening法を用いて検索を行った。その結果、RpoT3のN末端領域と非常に強く相互作用するクローン1種を最有力候補として取得した。その塩基配列を決定した結果、真核型リボゾームタンパク質L32に非常によく似たタンパク質をコードしている遺伝子であることが分かった。このタンパク質は、RpoT3のC末端領域に結合せず、N末端領域にのみ特異的に相互作用することが分かった。またゲルシフト解析の結果、NEPに強く依存して転写されるaccD遺伝子のプロモーター領域を含むDNA断片に特異的に結合することを見出した。さらに、シロイヌナズナの色素体から調整したin vitro転写系に組換えL32様タンパク質を加えたところ、その添加量の増加に伴ってaccDプロモーターからの転写が活性化されることを明らかにした。以上の結果は、このタンパク質が新規なコードの転写制御因子としてプロモーターDNAに結合してNEPによる転写を正に調節している可能性を強く示唆している。
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