Research Project
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
酸化還元酵素の一種であるペルオキシダーゼのモデル錯体と考えられる鉄サレン錯体を触媒として用いて合成した、セルロース-ポリフェノールハイブリッドの生分解性について検討するとともに、酵素触媒により合成した種々のポリフェノールとのハイブリッド化を行った。本ポリマーは天然に広く存在する木質(その主成分はセルロースとポリフェノールであるリグニン)をモデルとしたものであり、環境調和型ポリマーとしてその応用が期待される。また、これまでは種々のポリフェノール類の合成を行うとともに新たな反応手法の確立を行ってきたが、ここで新たに鉄プロトポルフィリン誘導体を触媒として用いることを試みた。鉄プロトポルフィリンはフェノール類の酸化重合を触媒することが既に知られているが、酵素触媒の構造からヒントを得てヘプタキス(2,6-ジメチル)-β-シクロデキストリンのフェノール類に対する包接能を利用し、シクロデキストリン-鉄プロトポルフィリン系においてより高効率な人工酵素系の確立を試みた。シクロデキストリンを共有結合により鉄プロトポルフィリンに結合させることで、溶解性が飛躍的に向上するとともに、反応速度の上昇が確認された。
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