Project/Area Number |
00J03539
|
Research Category |
Grant-in-Aid for JSPS Fellows
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Section | 国内 |
Research Field |
教育・社会系心理学
|
Research Institution | Kyoto University |
Research Fellow |
内田 由紀子 京都大学, 総合人間学部, 特別研究員(DC1)
|
Project Period (FY) |
2000 – 2002
|
Project Status |
Completed (Fiscal Year 2002)
|
Budget Amount *help |
¥3,000,000 (Direct Cost: ¥3,000,000)
Fiscal Year 2002: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2001: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
Fiscal Year 2000: ¥1,000,000 (Direct Cost: ¥1,000,000)
|
Keywords | 幸福感 / 文化 / 自己評価 / 情緒的サポート / 自尊心 / 国際研究者交流 / アメリカ合衆国 |
Research Abstract |
本研究は文化に適応する結果として獲得される心理メカニズムの解明を目指している。本年度は(1)幸福感と文化(2)自己知覚と文化、の2点に着目し実証研究による検討を行った。 (1)幸福感の定義および予測因に関するこれまでの知見の分析を試みた。結果、欧米における幸福感は自己の内的望ましさの最大化によって定義され、自尊心によって強く予測されるのに対して、東洋における幸福感は関係内要素の平衡化によって定義づけられ、他者との結びつきによって予測されることが明らかになった。さらに日米の大学生および中高年層を対象にした調査研究において、日本においては他者からの情緒的サポートの受け取りの知覚が重要な要素となっており、そこから幸福感が得られているという仮説が実証された。 (2)これまでの研究で、アメリカでは常に自己が肯定的に評価されるのに対して、日本においては「明示的」指標では自己批判的な傾向が、「暗黙の」指標では肯定的自己評価が示されている。これらの自己評価の様相はそれぞれの文化の存在により可能になっていると考えられる。そこで、日米での自己評価についての追加調査を実施した。結果、明示的自己評価はアメリカでアジアより高いが、暗黙の自己評価に関してはアジアでもアメリカと同程度に肯定的であること、そして対人関係への関与が強い状況下(日本的状況)においては日米双方で明示的自己批判・暗黙の肯定的自己評価が、対人関係への関与が低い状況下(アメリカ的状況)においては日米双方で明示・暗黙の肯定的自己評価が見られることが示された。このことから、自己評価が対人関係との関わりを基盤として構成されていることが明らかにされた。さらには、シドニーとソルトレークで開催されたオリンピック選手のインタビューと報道内容の分析を日米で実施し、これらの自己評価が周囲からの期待・評価によって形成されていることを示した。
|
Report
(1 results)
Research Products
(4 results)